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ファナック26/3期決算説明会報告 26/3期ロボット急回復で7.6%増収15.7%営業利益増で上振れ着地、27/3期もロボット、FA拡大で6.0%増収15.5%営業利益増予想

2026/04/30 00:20
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ファナック26/3期決算説明会報告 26/3期ロボット急回復で7.6%増収15.7%営業利益増で上振れ着地、27/3期もロボット、FA拡大で6.0%増収15.5%営業利益増予想

ファナック(6954)  26/3期WEB決算説明会メモ       ややネガティブ継続 

26/3期7.6%増収15.7%営利増とコスト減等が寄与、27/3期6.0%増収15.5%営利増予想

 

株価6961円(4/28) 時価総額68383億円 発行済株982383千株

PER27/3期DO予(33.7X)PBR(3.48倍)配当27/3DO予124.09円 、配当利回り1.8%

要約

 

26/3期7.6%増収15.7%営利増とコスト削減、円安等が寄与し上振れ着地

4/24に26/3期決算発表、同日電話会議が開催された。26/3期は売上高8578億円(1/26増額修正予想比171億円上振れ、7.6%増)、売上総利益3285億円(同129億円上振れ、11.4%増)、営業利益1837億円(同109億円上振れ、15.7%増)、経常利益2275億円(同127億円上振れ、15.6%増)、税引利益1665億円(同85億円増額、12.9%増)となった。ロボット、FAの好調、円安、販管費の抑制等で増益着地となり、売上高では23/3期の8520億円を抜いて過去最高額更新、売上総利益は18/3期の3281億円を上回り、15/3期3790億円に次ぐ、過去2番目の数字となった。また受注は8834億円(11.1%増)となり、22/3期8692億円を抜いて過去最高受注額更新となった。

四半期ではQ4が売上高2345億円(同期比10.6%増、前期比8.7%増)、営利561億円(同15.9%増、同34.3%増)、受注2520億円(同19.2%増、同14.4%増)と、四半期最高売上、受注を記録した。利益面では固定費削減、円安効果で収益率が高まった。

地域別売上を見ると、米州2322億円(8.3%増)と24/3期の2273億円を抜いて過去最高額に。中心となるロボットが1610億円11%増と24/3期に並ぶ数字に回復、ロボマシン92億円(35%増)でなどが寄与した。欧州は1524億円(6.8%増)と中心のロボットが798億円(10%増)と堅調に推移した。中国は2284億円(22.4%増)で23/3期2456億円に次ぐ水準に回復した。特にロボットが918億円(58.5%増)まで回復、23/3期1136億円に次ぐ水準まで回復している。またFAが777億円(11.8%増)で、22/3期715億円を抜いて過去最高額となっているが、これは中国でのNC化率向上政策の寄与が大きいとみられる。

また四半期地域別でも同様な動きでQ4米州25.1%増、欧州27.2%増、中国20.4%増など増加、Q3比較では全地域で増加している。特に米国はQ4で666億円と、24/3Q4を抜き、四半期で過去最高額を更新している。

製品別ではロボットが3786億円(14.9%増)と24/3期の3809億円に迫るまでに回復、米国1610億円(10.7%増)と関税影響が懸念された中で2ケタ増を確保、中国918億円(58.8%増)と、EV関連、一般機械向けなどの伸長が寄与した。一方、国内は自動車向けが復調せずに231億円(12.5%減)にとどまった。FAは2085億円(7.0%増)と回復に転じた。日本が501億円(13.9%増)と工作機械受注の増加とともに回復、中国は777億円(11.8%増)で、NC化率向上政策で22/3期の715億円を上回り、過去最高額更新となった。ロボマシンは1296億円(5.8%減)と唯一減少。中国でロボドリルは堅調もロボショットなどが不振で557億円(1.9%減)で、日本は全般低調で103億円(16.9%減)などが影響した。サービスは1410億円(4.3%増)と堅実に伸ばし連続最高額更新となった。受注は8834億円(11.0%増)で過去最高額更新となった。ロボマシン以外で増加、FAが2296億円(13.6%増)、ロボット3818億円(20.3%増)、サービス1387億円(4.5%増)は過去最高の受注額に。

四半期売上推移では四半期を通じFAが同期比増加、ロボットがQ2から急回復、ロボマシンはQ3,Q4と同期比減少に。受注ではQ4で2520億円(同期比19.2%増)で、23/3Q1の2340億円を抜いて、四半期で過去最高受注額となった。ロボットが四半期を通じ同期比増加、Q4では1006億円(10.7%増)となり、23/3Q3以来の1000億円乗せとなっている。

なお最大部門のロボットにおいてロボット工業会との比較では、売上の伸びはほぼ同じ伸び率となった。受注については同社の伸びが劣後しているが、特に問題があるわけではなく、受注時期の差異が生じているとみられ、傾向として受注の本格拡大に入ったとみられる。

利益面では増収効果、加えて円建てが多いながら円安効果も加わり総利益額が過去2番目の金額となり、売上総利益率が1.3ポイント改善し38.3%に。さらに販管費も伸びを抑えたことからと営業利益率が1.5ポイント改善し21.4%となり、2ケタ営利増となった。

 

27/3期会社予想は6.0%増収15.5%営利増と、世界的な省人化需要の高まりで収益拡大

27/3期会社予想は売上高9060億円(6.0%増)、営業利益2122億円(15.5%増)、経常利益2570億円(13.0%増)予想とした。2期連続最高売上、増収効果とコスト削減で総利益率がさらに1.9ポイント高まり40.2%と22/3期の40.3%と40%大台復活見通しで、18/3期以来の営業利益2000億円超を見込む。

セグメント、製品別予想の開示はないが、成長の主軸はロボットと見られる。27/3期は自動車ではEVに対する設備投資の見直しなどの影響が懸念される一方で、HEVや高効率エンジン車等への投資が期待でき、緩やかな設備投資増が見込まれる。加えて半導体設備投資の本格回復、世界的に省人化、自動化投資のニーズの高まり等でロボット需要の回復が見込まれる。日本ロボット工業会では年初に2025年比3.2%増の1兆300億円を予想していたが、足元、1~3月の工業会受注は2948億円(前年同期比41.0%増、前期比8.6%増)と、工業会予想を大きく上回り、進捗率では28.6%となっている。しかも新年度に入って4月も好調なスタートとなっている模様。会社側では26/3Q4の4倍受注とはならない(26/3Q4受注が988億円、4倍で25年度比3.5%増の3952億円)としているが、工業会ベースの26年第1四半期の4倍程度の受注が可能とすると、工業会で1兆1800億円(工業会予測値比1500億円増額、前年比27%増)となる。世界的な経済環境が不透明な中での受注推移であり、今後、減額懸念はあるものの、会社計画に対しロボット受注は上振れるとみられる。しかもフィジカルAIという概念が提唱され、昨年12月にAIが自律的に機械を制御する「フィジカルAI」の実装をエヌビディアと提携し推進することを表明、実際、同社は26/3期に1000台規模のフィジカルAI対応ロボットの受注獲得があり、現在も引合いが活発化しているとのこと。このため、ロボット事業の売上はフィジカルAIの取り込みがあればさらに20%超の成長も見込まれる。

FAについては国内外で順調な伸びが見込める。まず国内は工作機械受注において2026年3月に単月で過去最高受注額を記録した。26年度は海外向けが防衛・航空宇宙、無人化・省人化に向けた複合加工工作機械が拡大する見通しにあり、25年度に続き過去最大受注額となる見通し。一方、国内は高市政権による国内産業育成・強化に伴い、大型補助金、造船業や半導体産業などの強化策で工作機械に対する特需の寄与が見込まれ、外需を上回る伸びが期待されている。このため国内工作機械メーカー向けCNC装置の増収が見込まれる。加えてFA海外向けは主力の中国向けで、中国メーカーのNC工作機械比率の比率アップ政策が継続、ローカルメーカーの台頭はあるが、対応機種の違いで競合していないとのことで、中国向けも順調な拡大が見込まれる。このため、主力2市場向けが2ケタ成長期待で、これにインド等の新興市場では工作機械以外で射出成形機向けにもCNC装置で多少売上があるとみられるが、基本的に日中工作機械メーカー向けの伸びで、2桁の売上拡大が期待される。

ロボマシンについて、ロボドリルは小型切削加工期・自動機に分類でき、工作機械の推移と動向に10%程度の伸びが見込める。またロボショット(射出成形機)はサーバー需要の拡大、自動車の電動化の進展などでコネクタや小型部品成形などの需要拡大で受注回復から緩やかな拡大が見込める。

サービス事業は累積納入台数増加とエンジニアリング的なサポートなどの拡大から今期も売上高更新が続こう。

全体としてロボットの上振れ、FAも工作機械業界の受注拡大を受けて堅調な拡大などが寄与し、円安定着の中で収益の上振れが期待される。

 

 

 

中期的には生産現場でのフィジカルAI拡大も視野に収益拡大続く

中期的に同社の成長を担うと見られるのがフィジカルAIの拡大であろう。フィジカルAIとは、従来のAIの高度な判断能力に、ロボットや移動機器などの物理的な身体機能を統合した技術であり、状況を認識しながら自律的に判断した上で、人間のように柔軟な動作を実行するもの。生成AIの進化によって事務作業や様々な管理業務において知的業務が劇的に効率化されている。しかし工場などの生産現場では熟練生産者の判断を必要とする様々な案件が存在し、しかも人手不足や作業負担の増大といった課題が山積している。フィジカルAIは、センサやカメラ、外部システムから得られるさまざまな情報をAIが解析・判断し、その結果に基づいて物理的なデバイスが動作するシステムを指す。

 

フィジカルAIでは、大規模言語モデル(LLM)などの高度なAI知能が、物体をつかむ、空間を移動する、環境を操作するといった多様な動作を行う際の物理的なリソースに搭載される。それによりAIは環境の変化や作業目的を理解し、現実空間での状況認識、意思決定、そして動作実行を自律的かつ高精度に行うことが可能となる。このため、フィジカルAIは、特定のロボット形状に限定されるものではなく、ロボットアームやドローン、自律走行機器、自動車など幅広い機器で活用される技術と言える。具体的に同社のフィジカルAIを搭載したロボットは、人間のように「目(センサ)」で状況を認識し、「脳(AI)」で判断し、「身体(ロボティクス)」で行動する。これにより、不定形物の把持や、状況に応じた柔軟な組み立て作業など、これまで自動化が困難だった領域がでもロボットの利用が可能となった。同社としては昨今ブームに沸く人型ロボットを利用したファイジカルAI実現には距離を置く姿勢で、着実な採用拡大を目指す。

具体的に同社はNVIDIAのAIプラットフォームを活用し、ロボットが加工ワークの動きを視認して自律的に動作したり、障害物を回避したりする技術の開発を進める。実際、同社のシミュレーションソフト「ROBOGUIDE」を、NVIDIAの産業用デジタルツイン基盤「Omniverse」やロボット開発プラットフォーム「Isaac Sim」と統合し、これにより、仮想空間での高度なシミュレーションが可能となった。また音声コマンドで作業指示を出せるロボットなど、従来必要だった複雑な「ティーチング(教え込み)」作業を不要にする技術を開発し、フィジカルAI導入のハードルを下げることも目指している。

 

同社の今後の具体的な対応として、2027年末に9000万ドル(約143億円)を投じて米国に新工場を建設し、フィジカルAIの需要拡大に対応する計画。なお同社は、フィジカルAIは物理空間で動作するため、特有の技術的・運用的課題が存在していることも十分に認識している。具体的には物理的なデータ(非構造データ)の収集、正確なラベリング(ラベル付け)、学習に膨大な時間とコストがかかる。またオフィスなどと異なり、工場ではセンサからのノイズが多い生データを、いかにAIが学習しやすい形に変換するかが課題となる。またAIが予期せぬ挙動をした場合に、人間や施設に危害を及ぼさない安全基準(セキュリティ・安全性)の確立、コンセンサスも求められるなど。このため、フィジカルAIで短期間に急激なロボット導入が進むとは考えていないと思われる。同社としてはフィジカルAIの定着により、自動化する領域が増える中で、ロボットが人材不足を補完し、現場でのロボット稼働台数の拡大により着実な売上拡大を実現するものとみられる。

株価は日経平均の代表銘柄として上昇、25年12月にはエヌビディアとのフィジカルAI提携との話題もあり急上昇、26/3期決算発表時に27/3期も収益拡大見通しとしたことから26年1月4日には7270円と10年来の高値更新となっている。会社修正27/3期予想EPS198.14円に対しPER35.1倍は、ロボットの安川電機の29.7倍に対しやや割安、三菱電機34.7倍と同等、プライム電機平均PER23.5倍に対し割高である。日本を代表するハイテク株であるが、CNC装置で稼ぎ出した高収益体質から、ロボット売上構成比の高まりでMIX変化から過去のような収益性は期待しにくい。現在、エヌビディアとの提携が株価を押し上げた要素もあるとみられ、同社の成長スピードは半導体製造装置メーカーの成長スピードに劣後すると判断、フィジカルAIを過剰に評価、増額修正期待もややネガティブの評価を継続したい。

 

 

 

 

                   *安川電機(6506)、三菱電機(6503)との比較

 

 

 

 

H.Okamoto

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