チリ銅委員会(Cochilco)は5月19日、2026年の世界の銅市場の展望を発表した。それによると、2026年の精錬銅需給は1万2000トン程度の小幅な供給過多になる見通し。12万4000トンの供給不足を記録した2025年からは改善するものの、なお供給が需要を上回る規模は小さく、価格は高止まりが続くとの見方を示した。
■チリの銅鉱石生産は2%減、中東紛争の影響懸念も
プレスリリース:Cochilco eleva el precio promedio del cobre a US$ 5,55 la libra para el año 2026 – COCHILCO
コチルコによると、2026年の世界の銅鉱石の生産量は前年比0.5%増の2300万トン程度の見通し。このうちチリは同2.0%減の530万トン程度との予測だ。減少の理由は鉱物品位の低下、定期メンテナンス、運用制限、年初に記録された企業業績の低迷などだという。
実は、チリの銅生産を巡っては、中東紛争が影を落とすとの見方が浮上している。ホルムズ海峡の実質閉鎖で硫黄の流通が途切れた結果、中国が自国防衛のために硫酸の輸出を制限し、それがチリの銅精錬に影響するとの観測だ。
関連記事: 中国、硫酸の輸出停止を計画か・外電 5月から年末まで継続も、価格は過去最高値
■精錬需要は1.5%増、中国が引き続きけん引か
しかし、その精錬された銅の需要が大きいのはほかならぬ中国自身だ。コチルコは2026年の世界の精錬銅の消費量を前年比1.5%増の2820万トン程度とみる。「中国が引き続き世界の銅消費の主要な支援となるだろうが、不動産の弱さや緩慢な産業回復により活力はやや低下する」と予測した。力強い需要が見込まれるのはインドで、日本と欧州は緩やかな需要拡大が期待できるともした。
コチルコは需給の引き締まり傾向を受け、2026年の銅の平均価格を$5.55/lbに引き上げた。足元のNY銅価格は高止まりが続く。5月19日には現物$6.091/lbを付けた。2026年に入ってからは$6を挟む水準で推移している。LME銅相場も高止まりしている。
過去3か月間のNYとLMEの銅価格の推移($/lb)($/ton)
