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MIRU独占取材! ルノーグループが展開する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」訪問ルポ③THE REMAKERS

2026/06/09 14:21
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MIRU独占取材!  ルノーグループが展開する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」訪問ルポ③THE REMAKERS

MIRUでは4月30日、仏自動車大手ルノーグループが運営する循環経済に特化した施設「Refactory de Flins」を訪問取材した。同施設の落成式以降、運営が開始されて以来、日本メディアが施設内に入るのは初である。訪問ルポ第3回目となる本稿では、ルノーグループ(80%)およびSuez(20%)が所有するThe Futre is NEUTRALの子会社として、自動車の循環経済に特化する「THE REMAKERS」を取り上げる。

THE REMAKERSは、ルノー・グループ自動車用機械部品のリマニュファクチャリング部門から生まれた事業体で、2024年に“The Future is NEUTRALのエコシステムに加わった。案内してくれたのは、THE REMAKERSの部長Rafael TREGUER氏だ。

THE REMAKERSは、エンジン、ギアボックス、ターボ、さらに近年では電動モーター部品など、自動車部品のリマニュファクチャリング(再製品化)を専門としている。今回の見学では、「古い素材(廃棄物)」の回収・受け入れから、大量生産方式に着想を得た生産ライン、試験ベンチ、出荷エリアに至るまで、工場の主要ゾーンを案内された。残念ながら本施設内部の写真撮影は禁止されていたため、ここに掲載しているのは、唯一撮影が許可された入口に設置された部品展示ゾーンの写真のみである。この部品展示ゾーンでは、リマニュファクチャリングされたエンジンがいくつか展示されており、MIRUチームはここでまずTREGUER氏から再生エンジンの説明を受けた。まさに「切り取った心臓」のようなエンジンは、色の異なる複数の部品で構成されており、いわば手術後の自動車の心臓といったところだ。案内された工場内には多数の生産ラインが設置されている。

 

Rafael TREGUER氏

リマニュファクチャリングの概念

この工場におけるリマニュファクチャリングとは、エンジンやギアボックスなどの古い自動車ユニットから部品を回収し、それらを用いて再製品化することを指す。
リマニュファクチャリングされた製品は、複数の中古エンジンから取り出した部品を組み合わせて組み立てられる。例えば展示コーナーで見たエンジンについて、TREGUER氏は「この部分はスペインから回収し、こちらの部分はドイツから回収したものです」と説明してくれた。

リマニュファクチャリングされた製品は、そのマットな色合いによって識別できるという。これは、洗浄後にセラミック製マイクロビーズによる剥離処理を行っているためであり、塗装を使用していないことが理由である。

THE REMAKERSは、2030年までに50%の成長を目標に掲げている。同社の強みは、欧州のみならずグローバルな自動車関連企業(ルノー、日産、ルノートラックス、ダイムラーなど)と協働している点であり、今後はその販路を他の自動車メーカーにも拡大していく意向だ。なお、同社の製品は補修用部品(アフターマーケット)市場専用として供給されている。

リマニュファクチャリング部品には新品と同等の保証書が付与され、品質が保証されている。価格面では、新品と比べて約30%の低価格を実現している。また、材料・電力・水の使用量も削減でき、CO2排出量も新品と比較して大幅に削減できる。

逆ロジスティクスと「コア」

THE REMAKERSのビジネスモデルは、「古い素材」(コア)の返却を促すデポジット制度に基づいている。ディーラーが故障した中古エンジンを返送すると、その際に預かり金が払い戻される仕組みだ。同社の主要なコア・コンピタンスは、逆ロジスティクス(素材の回収)とリバースエンジニアリング(分解・再組立)である。変換前の古い素材は廃棄物であるが、それらを「無料」で回収することがビジネスモデル上不可欠となる。ここはまさに、廃棄物が材料となる場所なのである。
THE REMAKERSでは、将来需要(例:2028〜2029年)に備えるため、大量のコアを保管しているという。

リマニュファクチャリング工程

見学では、エンジンを例にリマニュファクチャリング工程の説明を受けた。
エンジンのコア受け入れ後は、以下のような工程で作業が行われる。

  1. コア受け入れと分解:エンジンコアを受け入れた後、それを完全に分解する。
  2. 洗浄・選別プロセス:洗浄、剥離処理、部品の選別を行う。
  3. 検査・分析:元の故障原因を取り除くための分析を実施する。
  4. 組み立てプロセス:生産ライン上で再組立てを行い、ボルト、ねじ、樹脂部品など特定の要素は必ず新品と交換する。
  5. 試験プロセス:完成品はすべて試験を行い、締結状態、気密性、始動性などを確認する。新品と同等の厳しいテストが課される。
  6. トレーサビリティ:リマニュファクチャリングされた各部品には THE REMAKERS独自のシリアル番号が付与され、同社の製品であることが明確にされている。

THE REMAKERSの作業工場は3万平方メートル、加えてコアの保管専用に3万平方メートルの施設を有している。生産ライン(ガソリン車用1ライン、ディーゼル車用1ライン)は、大量生産方式を基盤としつつ、リマニュファクチャリングに適合するよう調整されている。「新車組立て」向けラインから移設された中古機械を購入することで、ここでもコスト削減を図っている。

工場で生産されるリマニュファクチャリング製品

工場で生産されるリマニュファクチャリング製品は、主に以下のとおりである。

  • 内燃エンジン:ガソリン車・ディーゼル車合わせて年間約2万基を生産。代表例として、商用車向けのMエンジンなどが挙げられる。
  • ギアボックス:年間約2万基を生産。作業工程はエンジンと類似しており、完成品はすべて試験ベンチでテストされるほか、処理の全工程を通じて同一ギアボックス内のギアは常にセットで保持される。
  • ターボチャージャー:生産量はより多く、年間約5万基。
    エンジンと同様の原則に基づき、分解、洗浄、再組立てが行われる。
  • そのほかのコンポーネント:インジェクター、ステアリングコラムのリマニュファクチャリングや、電子部品の修理などにも対応している。
  • EV用コンポーネント:電動モーターのリマニュファクチャリングに関して、THE REMAKERSは欧州のパイオニアである。ルノー・ゾエ(EVモデル)向け5AQモーターについては、2026年1月頃から事業を開始している。また、AUMOBIO社およびValeo社とのパートナーシップのもと、電動機(ステーター、ローター)およびパワーエレクトロニクス(パワー・エレクトロニック・コントロール)をリマニュファクチャリングしている。プロセスは、分解、部品交換(例:玉軸受)、再組立て、バランス調整、電気試験、新たなシリアル番号の刻印という流れになっている。

さらに、The Future Is Neutral の子会社であり、銅やプラスチックなどのリサイクルを専門とする GAIA も、Refactory de Flins内に拠点を置いており、現在ではEVの駆動用電池の修理にも携わっている。

MIRUチームはTHE REMAKERSを後にし、最後の部門となる「The Originals Renault-La Collection」へ向かった。ルノーの歴史が垣間見えるこの「博物館」とも言えるサイトは、普段はほとんど公開されていないそうで、「今回見学ルートに含められたのは、とてもラッキーですよ」と、全見学過程を通じてアテンドしてくれた広報担当MOHAMAMD氏が筆者にささやいた。その模様は、次のルポで報告する。

取材協力:Renault Group, The Future is NEUTRALl, Refactory of Flins, Aubergenville–Elisabethville, France 

関連記事アーカイブ:Archive: May 19 & 20, 2026 – Paris Expo 

 

Yukari SCHANZ

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