Loading...

インドネシア、27年に「金属取引所」を開設へ 高官発言を現地紙報道、バッテリーサミットでも言及

2026/06/10 11:23
文字サイズ

 インドネシアが2027年1月1日付で「金属取引所」を発足する計画だ。ジャカルタ・ポスト(The Jakarta Post)などの現地紙が6月9日までに伝えた。ニッケルをはじめ同国の生産が多い鉱物の基準値を握ることで国際価格に翻弄される現状を改善し、国力増強につなげたい構えだ。

 同国の下院委員会XIの委員長であるムカマド・ミスバクン氏が計画を明かしたという。新取引所は当局が集権的に管理し、買い手、売り手、投資家が信頼できる市場情報を得られる取引拠点として機能する。標準化された価格設定と強制力のある契約を確立することで、国内外の参加者の信頼感を高めることを目指す。

 

 インドネシア独自の金属取引所に関しては、ニッケル鉱業協会(APNI)事務局長であるMeidy Katrin Lengkey氏が3月17-18日にIR Universse主催で行われた「第13回 Battery Summit in TOKYO」で言及していた。ロンドン金属取引所(LME)および上海商品取引所(SHFE)との提携が視野とも話していた。

 

関連記事: 第13回 Battery Summit in TOKYO: 1日目前半はウクライナやコンゴなどから登壇

関連記事: 【インタビュー】Battery Summit登壇者:インドネシア・ニッケル鉱業協会(APNI)事務局長Meidy Katrin Lengkey氏に聞く「インドネシアのニッケル生産状況」

 

■4月に基準価格を改定、6月からはフェロアロイの輸出を管理

 インドネシアは産業騰勢を強める。4月には鉱物資源の基準価格(HPM)を改定したばかり。低品位ニッケル鉱石またはリモナイトの価格には、これまで含まれていなかったリモナイト鉱石中のコバルト含有量を考慮するなど、基準価格の算出方法を見直した。この改定にはボーキサイトやコバルト、鉛なども対象になった。

 

参考記事:インドネシア鉱物資源省 ニッケル、ボーキサイトなど複数の鉱物資源価格の改革に着手

 

 同国政府はまた、5月31日には天然資源輸出の管理強化策として、パーム油、石炭、鉄合金(フェロアロイ)の輸出を段階的に、政府系ファンド「ダナンタラ」傘下の国営輸出会社ダナンタラ・スンベルダヤ・インドネシア(DSI)の管理下に移す方針を示した。

 

 輸出管理は既に6月1日から段階的な実施が始まった。しかし、急な実施で産業界からは困惑の声が上がる。さらに、同国は金融市場も混乱している。インドネシア中央銀行6月9日、臨時会合を開催し、政策金利を0.25%引き上げ5.50%とした。インドネシアルピアは足元で過去最安値圏にある。6月に入ってからは株式や債券も価格が下落する「トリプル安」が頻発し、緊急利上げを迫られた。

 当局の姿勢と現場の状況のミスマッチが目立つ中、取引所運営はやや心もとない。足元では、ニッケル産業一つとっても採掘業と加工業のバランスが崩れかけてもいる。

 

参考記事:仏エラメットのインドネシアのニッケル生産停止、波紋広がる 鉱石輸入拡大で財政負担か

Kure

関連カテゴリ

関連記事

新着記事

ランキング