YOSHIの独り言#68 EV四方山話2 インドで活躍する日本メーカーの電動リキシャ
1充電当たりの航続距離と電動モーターの出力できまるBEV(バッテリー電気自動車)競争は電源電池の設計次第。中国メーカーBEV用は安価なリン酸鉄系極材を使った電池搭載で早く売り抜けるメーカー車両が多いが、リン酸鉄系は2.6ボルト程度と低く航続距離は300km程度。車両コストと車両重量を抑え安く、先に金取れば勝ちという中国商法市場が今も動いているが、NEV義務は航続距離に比例する補助金でLIB高出力系原料の3元系に収れんされる方向となっている(*しかし一部ではリン酸鉄も進化していること、資源制約的な意味合いで根強く残る、という中国のEVメーカーもある)。
今後は1セル当たり3.7Vクラス~4.3V発揮できる3元系極材が中心になる。特に開発予算が確保できる高級タイプ車では、セル当たり4Vクラスのリチウムイオン電池開発の目標も聞かれるようになってきた。日本では5V狙いの研究が始まったがその可能性も搭載設計力次第であろうが必ずしも高額なバッテリーを世界が求めているわけではなさそうなニュースもある。
【ちょっと寄り道】
テラモーターズのインド電動Eリキシャタクシー市場2位の活躍
以前にも数報YOSHIの独り言でレポしているが、日本の若いメンバが現地資本と起業した「テラモーターズインド」が電動三輪タクシー市場でシェアー15%と市場2位での活躍の連絡がきた。2014年から4年でEリキシャの市場シェアー規模は確実に大きくなってきた。このテラの電動リキシャは伝統的な鉛バッテリーを使用している。
→(関連記事)YOSHIの独り言#12 鉛バッテリーが活躍するテラモーターズインド社EV3輪車(E-Rickshaw)
「Eリキシャ」とテラモーターズインド副社長N殿(左)
テラモーターズインド工場はグルガオン工場中心に、若いN副社長「10万ルピー(約16万円)を切る新製品などバリエーションを増やし販売シェアー拡大を狙う」とのこと。今後の友の活躍を継続支援したいYOSHIがいます。
今年、中国工業情報省はEV車両用電池の回収と再利用のシステムビジネスモデルを構築するため、北京市、天津市、河北省他の省や自治区でアクションを早々と開示した。
再利用という用語はどのような内容を定義しているのか不明確だが、早々とEV用電池の再利用を持ち上げるのは2017年にはEV車両が市場で多くの発火延焼事故が多発したという問題の対策とリンクしているであろうという見方の情報がある。
【ちょっと寄り道】
2018年2月、中国政府は電池回収と再利用に関する管理規定を暫定的に定めた。その弁法の試験地区を特定し、20年まで試験結果をレポートさせ、今後の電池の回収、再利用の制度化を図るようだ。将来、海外自動車メーカが市場販売するであろうEV車の電池の回収、再利用時には高額な費用負担が請求されるのではないかと危惧を抱く動きもある。」
日本ではEV車両用電池の交換はその性質上、一般販売されずさらに交換は自動車ディーラルートとなるであろう、そのためEV車の交換用電池に関する日本国内市場では活性化しないとみる。
視点を変えると、将来のEV車の増加は旧態依然の産業構造からの大変化をもたらし、新自動車産業市場の創成が起こり、新たなビジネスマーケットが起こる将来に期待したいYOSHIの独り言です。
今後の予定
・EV四方山話
・再生可能エネルギー四方山話
(M.YOSHI)
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