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太陽光発電所の銅線を切断して窃盗!〜メタビッツ、同発電所で2度の被害

 大手非鉄金属リサイクルのメタビッツ(栃木県下野市)。事業の多角化でも知られる同社だが、それぞれの概況や進捗を社長の石渡隆靖氏に聞いた。久しぶりにお会いした石渡社長は、相変わらず闊達にビジネスへの野心やアイデアを語るが、ここ最近「非常に頭の痛い事案に見舞われている」と語った。それは、同社のエネルギー事業(太陽光発電)での、ある、思いもしない「盗難事件」だった。

 

 

栃木市の発電所で2度の被害、被害額計3000万円

写真 メタビッツは、太陽光発電および風力発電といったエネルギー事業を展開している。太陽光発電は栃木県佐野市、栃木市、下野市、茨城県土浦市、八千代町、千葉県富里市、東京都西多摩郡などで行っており、昨年には栃木県真岡市、鹿沼市、今年3月には千葉県野田市にも新設した。さらに栃木県宇都宮にも新設予定で、現在造成が終わったところだという。

 

 このうちの栃木市の発電所が、昨年11月、窃盗事件に見舞われた。盗まれたのは、なんと施設内の「電線=銅線」だ。被害額は約1500万円に上るという。

 

 現在、非鉄相場が高騰状態であるのは周知のこととは思うが、特に銅の値上がりが顕著。こうしたことを背景に、銅線を「切断して」運び出す(盗み出す)輩が、横行しているのだという。

 

 そしてさらに驚きなのが、つい先日の4月初頭にも、昨年12月に敷設し直したばかりの同発電所の電線(延べ1000mほど)が、再び盗難に遭ったというのだ。

 

写真 「差し当たり損害保険に加入しているので、被害額はまかなえますが、2度続けて入ったという事実には、さすがに保険会社も驚いていました。こう盗難が多いと、保険会社も契約にブレーキを掛けてしまうのではないかと心配です。合計で3000万円ですからね」(石渡氏)

 

 さらには、メタビッツの関連会社である株式会社Cellが所有する佐野市の施設も、同様の犯行にあったという。これも4月初旬のことだ。

 

 もちろんセキュリティーシステムも導入している。しかし相手もその辺は熟知しているようで、監視カメラも柵も壊して侵入してくるという。「もっと厳重に警備するには、360°広域に監視する人感センサーで近づけなくするしかない。また切断の難しいステンレスパイプなどに通すことも考えている」と石渡氏。

 

 被害にあった栃木市の発電所は1000kWクラスであり、これは高圧の部類になる。当然、敷設する電線も径の太いものになる。犯行は、恐らく30分~1時間ほどあれば済んでしまうと考えられ、売却すれば50〜60万円にもなるという。

 

 発電所周辺には、どんなものでも扱うディーラーも多いといい、盗難品と知りながらも買い取る業者も珍しくない。

 

 ソーラーは、規模が大きくなる程、ひとけのないところに設置されるケースが多い。犯行の「やりやすい」環境でもある。また、経産省は太陽光発電所の一覧を開示しており、これも犯人たちにとっては、ひとつの「データベース」になってしまう。

 

 あまり報道はされていないが、こうした盗難被害は、実は全国で起きているようだ。メタビッツは2018年9月にも、同社ヤードにおいて銅スクラップ55トンが盗まれる被害に遭っている。この事案も含めて「まさに日本は盗難天国」と、同氏は苦虫をかみつぶすように語る。

 

 

リユースパネルによる電力小売り〜15年のスパンで

 こうした憤懣やる方ない事案に悩まされながらも、石渡社長は、太陽光発電の未来を見据える。それは、ソーラーパネルをリユースしての電気の小売り事業だ。

 

 いままさに、日本全国で太陽光発電は花盛りといった状態だが、固定価格買取制度(FIT)の20年を越えれば、事業性の見合わなくなる発電所も多くなる。当然のことながら売電価格は下がるし、土地を賃貸契約して事業を行なっているところもある。こうなると、いっそ整理してしまったほうがメリットが出る、という事業者も少なくないはずだ。

 

 とはいえ、一般的なソーラーパネルは25年間は出力保証をしており、これを有効活用することで、ひとつのビジネスが生まれる。

 

 「私たちは、こうしたソーラーパネルを無料で引取り、自家消費を行う工場や施設に提供したり、また新たな土地を購入して発電所を作ることを考えています。とはいえ、ソーラーパネルは、発電能力的に不安定な部分もあり、蓄電池の設置や市場からの調達が不可欠になります。こうした部分を総合的にまかなうビジネスを始めたいと思っているのです」(石渡氏)

 

 これは一口にいうと、メタビッツによる電力の小売り事業ということになる。いま、電力小売りの世界には、電力の需要家が必要とする「電力量」を予測調整する企業が出てきており、彼らは現状1kWあたり1円でこれを請け負っている。

 

 こうした企業と協業することで、リユースパネルを利活用し、確実な安定供給が可能な電力小売り事業を展開する、これが石渡社長の将来的なプランだ。しかし同氏は、このビジネスを15年のスパンで見ている。

 

 先ごろ、銀行に同プランをプレゼンしたというが、大いなる賛同は得られたものの、まだ時期尚早との判断だったという。銀行が事業性を見るのは、約10年ほどのスパンで、まだ融資の対象外なのだそうだ。

 

 しかし、将来的に土地は必要になるので、先駆けて確保しておきたいと同氏は語る。現在稼働している規模は全体で7MW程。将来的に自家発電施設を含め10MWの発電量を目指すという。

 

 次回は、事業主体である非鉄リサイクルや他のビジネスについての同氏のお話を紹介。(続く)

 

 

(IRuniverse Kaneshige)

 

 

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