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相互に期待する金属3Dプリンターと金属粉末製造メーカー@東京ビッグサイト

 東京ビッグサイト 東2-5ホール&会議棟にて大規模に13の展示会が開催されている。主催は株式会社JTBコミュニケーションデザインである。リアル展示会は1月28日で終了するが、オンライン展示会は2月28日(月)まで開催されている。

 

 リアルでブース展示、セミナー及び対面面談で情報を入手し、後ほどじっくりとオンラインで最新の詳細情報が入手できるイベントである。

 

 最新表面処理技術を求めてSURTEC2022(表面技術要素展)で日本表面処理機材工業会が午後に開催しているセミナーを取材枠で聴講させていただけると招待され、リアルブースを訪れた著者であったが、隣のTCT japan では、3Dプリンティング&AM技術の総合展が開催されており、興味深かったので訪問した。粒径の整った高純度の金属粉末を用いて金属3Dプリンタにて成形した金属は、介在物及などを起点とした欠陥による強度減少が無いため、本来の金属が持つ強度を達成できるので、電子ビームによる金属3D積層造形は、近年着目されている。

 

TCT Japan| 国内最大級3Dプリンティング&AM技術の総合展

 

 金属3D積層造形は、“アディティブマニュファクチャリング[Additive Manufacturing、(通称AM])]あるいは“3Dプリンティング”と呼ばれる金属加工技術の一つで、3D-CADなどの3次元データをもとにして、スライスされた2次元の金属粉末等の層を一層ずつ積み重ねていくことにより、3次元の造形物を製造するもので、“金属3Dプリンタ”は、本技術における装置名として使われている。

 

 お話をお聞きすると、金属プリンタを用いると、ラティス構造体を容易に製造できることから、航空宇宙分野における軽量化部品、産業機器分野における熱交換器や医療分野のインプラントなどに適用できることで注目されている。しかしコスト高であり、コストのリスクの低い航空宇宙分野等、性能が良ければ部品として採用され得るが、やはり“自動車業界に認められることが重要”とのこと。コスト高が大きな障壁となっており、金属3Dメーカーは金属粉が安価になること、金属粉メーカーは、金属3Dプリンタのスピードアップを互いに期待しているようだ

 

 

<金属3Dプリンタ:電子ビーム>

 電子ビームの制御と言えば、なんといっても日本電子だろう。電子ビームパウダーベッド方式ではレーザービームに比べ造形速度が速い、電子ビームによる予熱により残留応力が発生しにくい。レーザービームによっては、後熱処理を必要とする場合がある。

 

 高真空中で造形されるので、ガス分子による汚染の影響が少なく、金属組織制御が容易でありという特長があり、金属の持つ最大強度を実現できるため期待されている。

 

 電子ビームが得意とする金属は、チタン合金、ニッケル基超合金、高融点金属[タングステン(W)、モリブデン(Mo)など]である。

 

JAM-5200EBM 電子ビーム金属3Dプリンター | 製品情報 | JEOL 日本電子株式会社

 

 

写真

 

 

写真<3Dプリンター用金属粉末>

 一方、3Dプリンター用金属粉末および合金開発と造形支援技術の紹介として、JX金属がAlloyed社及びTANiOBIS社とともに展示していた。

 

 JX金属は、3Dプリンター用純銅粉末を紹介 銅Cu

 

<特徴>

 ・表面処理によって酸化防止効果を付与。

 ・電子ビーム方式(EB)では、仮焼結抑制機能を発揮し、造形の自由度が向上する。

 ・純銅粉末を用いた造形物の総体密度はEBで99.94%

 (東北大金属材料研究所 加工プロセス工学研究部門 千葉教授との共同研究)

 

 2019年11月にニュースリリースされた。

 

高密度造形を可能とする3D プリンター用純銅粉の開発について (jx-group.co.jp)

 

 

写真タニオビスジャパン株式会社:タンタル・ニオブ系合金粉

タンタルCu・ニオブNb

 タンタルおよびニオブは生体適合性、非アレルギー性に優れ、高融点、高耐食性、高温での延性といった特徴を有している。熱膨張係数が小さく、優れた熱伝導率、導電率を有することから、医療、航空宇宙、化学反応プロセス 球状タンタル粉@TANiOBISなど多くの金属3Dプリンター用途に応用できる。

 

 ガスアトマイズ法により製造。                             

 

 TANiOBISは、JX金属のグループ会社である。

 

 

写真

Ti-42Nb粉末による          Nb粉末      タンタル粉末による

 

 

写真 Alloyed社:2017年に設立された、金属3Dプリンター向けの合金設計、造形設計等の事業と展開する英国オックスフォード大学院のスタートアップ企業。

 

 2021年10月、JX金属が21.2%出資する英国のAlloyed社は、患者個々人の形状に合わせ最適化した足首用のインプラント(人工骨)を金属3Dプリンターで設計・造形することにせいこうし、これを用いた手術がおこなわれたことをニュースリリースした。

 

 会場では、3Dプリンター用 新ニッケル合金 ABD-900AMが紹介されていた。ABDプラットフォームでは、3Dプリンター用のみならず、従来製造用の合金設計も第一原理計算と機械学習を組み合わせて行える。これにより、合金設計を実施したもの。

 

 

トーホーテック株式会社 チタンTi

 東邦チタニウムグループのトーホーテックはチタン系粉末を紹介した。

 

<用途例>タービンホイール(自動車部品)、タービンブレード(航空機部品)、人工骨(医療機器)

 

3D積層造形用粉末:Ti-6Al-4V

 

 

写真

 

 

 最後は、3Dプリンタ用金属粉末の展示会での常連である山陽特殊製鋼株式会社である。 鉄Fe、ニッケルNi、コバルトCo

 

metallic_powder1901.pdf (sanyo-steel.co.jp)

 

 

写真

 

 

表

 

 

 下記文献は、直接今回の展示会とは関係ないが、3D金属プリンタ用粉末に力を入れている山陽特殊鋼の取り組み方針等を理解するのに参考となる。

 

山陽特殊製鋼技報_第27.indb (sanyo-steel.co.jp)

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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