工作機械工業会4月受注確報 4月25.0%増1550億円、18ヶ月連続増で単月歴代8番目
4月受注は1550億円(25%増)と18ヶ月連続増加、4月歴代2番目と工業会想定上振れ
5/30の15時に日本工作機械工業会の4月工作機械受注確報が開示された。4月受注は前年同月比25%増の1550億円と18ヶ月連続増、1000億円超が15ヶ月連続となった。月次として歴代8位。コロナ前の3年前の2019年の同月比42.7%増と2ケタ増を確保、4年前のピーク時比較でも4.9%減の水準となり、4月としては2018年(1631億円)に次ぐ高水準となり、中国、欧州など不透明な中で工業会の想定を上回る新年度スタートとなった。
外需は同月比15.8%増1018億円と18ヶ月連続増、連続1000億円超と中国影響は限定的
外需は1018億円(15.8%増)と18ヶ月連続増、2ヶ月連続で1000億円大台を超えた。主要4業種で同月比増加、前月比では自動車、航空・輸送用機器が増加。一般機械は290億円(4.1%増)で過去5番目の高水準、自動車は234億円(21.6%増)で5ヶ月ぶり230億円超に。電機・精密は191億円(0.8%増)と伸びが一服。航空・造船・輸送用機械は61億円(55.1%増)とアメリカの増加で3ヶ月ぶり60億円超となった。
主要3極別では欧州が207億円(38.2%増)と15カ月連続増加、航空・輸送用機械を除き同月比プラスで地政学的リスク影響は顕在化しておらず、ドイツ43.9%増、イタリア25.6%増、英国2.1倍、フランス2.7倍など高水準を持続している。なおロシア・その他は0.16億円のキャンセルが発生も影響は軽微。北米向けは309億円(55.6%増)で15カ月連続増加、アメリカが52%増の272億円と高水準。業種別では一般機械が34.8%増、電機精密53.2%増、自動車46.4%増。アジアは479億円(7.1%減)。中国が321億円(15.0%減)と3ヶ月連続で同月比減少し上海ロックダウン影響あるも急減には至らず、一方でタイ64.8%増、韓国20.2%増、インド9.4%増など全体としては高水準維持。なお中国の業種別では電機・精密が105億円(24.7%減)、一般機械81.6億円(28.9%減)ながら自動車は107.7億円(11.8%増)と健 闘している。
内需は同月比47.4%増532億円で14ヶ月連続プラス、4月の500億円超は3年ぶり
内需は532億円(47.4%増)と14ヶ月連続前年同月比プラス、4月として500億円超は2018年の685億円以来。主要4業種は全業種同月比増加、自動車が131億円(20.5%増)、前月比でも5.1%増と期末3月比増となり、半導体不足が言われる中で設備投資は継続している。ものづくり補助金を利用し中小企業では漸く20年超の機械入れ替えの動きが活発化している。
一般機械は225億円(61.8%増)と補助金効果も継続し14ヶ月連続プラス。電気・精密は58億円(50.8%増)と半導体製造装増向け等が繁忙で15ヶ月連続増もその他が一服し金額では8ヶ月ぶりに60億円割れに。
4月販売は13.1%増1069億円と14ヶ月連続同月比増、受注残高69.4%増8058億円
3月期末を経過したこともあり、4月販売は1069億円(前月比39.2%減、同月比は13.1%増)となり、受注残高は前月比6.4%増と再度増加し8058億円(69.7%増)となった。受注残高8000億円超は、2019年2月の8150億円以来の水準となる。なお販売額の伸び率が3月の19.5%増に続きさらに低下、21年3月の16.1%増をも下回ったのは、上海のロックダウンによる部材調達遅れ、サプライチェーン混乱などが影響していると見られる。
主要7社の4月受注439億円(19.9%増)と17ヶ月連続増も一部波乱も
日刊工業新聞がまとめる主要工作機械7社の4月受注実績は439億円(19.9%増)と17ヶ月連続プラス。内訳は輸出277億円(8.5%増)、国内161億円(46.3%増)と3ヶ月連続で400億円超となった。
企業別ではツガミ、日本電産マシンツールを除く5社が内外ともに増加。伸び率では日本電産傘下のOKKが2.4倍(7/1に二デックオーケーケーへ商号変更)、自動車向け好調なジェイテクト53.5%増、オークマは半導体製造装置向け等好調で53.4%増に。一方、ツガミは3月が107億円と過去最高だった反動もあり89.3億円(前月比16.3%減、同月比17.6%減)に止まり、2020年8月以来の同月比マイナスに。
(H.Mirai)
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