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国際自動車リサイクル会議(IARC2022)②─バーゼル

写真 5日からスイス・バーゼルで始まった国際自動車リサイクル会議(IARC2020)2日目のセッションの主な議題は、将来的に化石燃料車を置き換えるEVとEV用電池に集中した。欧州連合(EU)は2035年にEU市場における化石燃料車の販売を禁止することを決定しており、今後EVの更なる増加とそれに伴うEV用電池需要の増加への対応が必要となる。欧州では自動車メーカーは次々に電気化戦略を発表、欧州域内における電池生産計画は2030年までに900GWhに達すると予測されている。

 

 自動車リサイクル業界では、今後EV用電池とEV本体のリサイクルへの対応が必要となるため、6日の会議ではこの2つの議題について、欧州の大手リサイクル業者によるトークが行われた。電池リサイクルでは、Glencore、中国のスタートアップBotreeから会社紹介があった。中国拠点のBotreeは2019年に創立、すでにグローバルに展開するリサイクルスタートアップで、ダイレクト・リサイクル技術の開発を手掛ける。自動車リサイクルでは、フランスの解体大手Indra、オランダ大手 Van der Ven 、自動車解体ツールを手掛けるオーストリアSEDAからプレゼンテーションがあった。Indra やSEDAは、来たる使用済みEV時代に備え、駆動用電池を搭載するEV特有の解体技術を他に先駆けて開発、ツールの販売や人材トレーニング、コンサルティングなどを提供している。

 

 Indraのゴドー氏はそのトークのなかで、EVの取り扱いの難しさの一つとして、電池などの危険な部品の取り扱いについて有事のマニュアルがなく、解体業者が取り扱いにおける安全性について自身で対応しなければならいことに触れ、認定解体施設(ATF)の変換の必要性を強調した。また会場の聴衆へEVのリサイクルの経済性について問いかけた。Indraの計算によると、化石燃料車との比較でおよそ100ユーロのマイナスになるという。このマイナスを埋め、利益性を上げるためには、EPRの改善をはじめ、機材への投資・人材の訓練など関しATFとOEM間の協力体制が必須であると主張した。

 

 そのほか午後のセッションでは、自動車由来のプラスチックリサイクル処理技術に関するプレゼンテーションで、現在の課題とソリューションについての議論が行われた。続いて、再び使用済み自動車規則の議題に戻り、生産者責任組織であるオランダのARNは、国内における現行の使用済み自動車指令の施行状況について、ドイツのコンサルティングMehlhaltからは現行のEPR(拡大生産者責任)システムの現状と規制改正におけるオプションの提示などが続いた。

 

 欧州では、まもなく施行となる電池規則、来年初頭に予定されている使用済み自動車規則の法案の発表はじめとする自動車リサイクル業界が直面するEUの関連政策・規制に対する準備はすでに始まっている。これらは、自動車のライフサイクにおけるトレーサビリティに対応するソリューションの開発、OEMによる解体・リサイクルを容易にするエコデザイン、大多数のステークホルダーが懐疑的なデータシェアリングに関する安全性を保証するソリューション、より安全で費用効果の高いリチウムイオン電池リサイクル技術の開発、安全性を確保するEV用の解体技術開発などである。

 

 一方で、先行きの予測が難しい状況もある。例えば、再生材含有ターゲットの設置に関し、数字についてはすでに言及されているが、その計算法がまだ確立されていない。このような規制の方向性が業界にもたらしている不透明さは、技術投資やその決定事項を困難にしていることも指摘された。

 

 最後に、会議議長のオリビエ氏は、現在自動車リサイクル業界は大きな変換期に直面しており、投資やコストの上昇などの「チャレンジ」に取り組んでいく必要があると締めくくった。

 

 なお、明日は施設見学ツアーとワークショップのみとなり、会議セッションは本日で終了した。

 

 

(Y.SCHANZ from Basel, Switzerland)

 

 

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SCHANZ, Yukari

 オーストリア、ウィーン在住フリーライター。現在、ウィーンとパリを拠点に、欧州におけるフランス語、英語圏の文化、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および政策調査に携わっている。専門は国際政治、軍事、語学。

 趣味は、書道、絵画、旅行、フランスワインの飲酒、カラオケ、犬の飼育。

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