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工作機械工業会8月受注確報 10.7%増1393億円、暦年1000億円増額1.75兆円予想に

8月受注は1393億円(10.7%増)と22ヶ月連続増加、8月では2018年1404億円に次ぐ

 9/27の15時に日本工作機械工業会の8月工作機械受注確報が開示された。8月受注は前年同月比10.7%増の1393億円と22ヶ月連続増、1000億円超が19ヶ月連続となった。コロナ前の3年前の2019年の同月比57.5%増と2ケタ増を確保、4年前のピーク時比較でも0.8%減と、8月としては2018年(1404億円)に次ぐ数字。7月に5.5%増と同月比1ケタ増になったが8月は2ケタ増に回帰、部品不足や地政学リスク、金利上昇リスク等の影響は今のところ軽微にとどまる。

 

 

グラフ

 

 

外需は同月比7.7%増876億円と8月として2014年(862億円)を抜き最高額更新

 外需は876億円(7.7%増)と22ヶ月連続増、8月として2014年(862億円)を抜き最高額更新となった。但し前月比では3ヶ月連続で減少、8ヶ月ぶりの900億円割れに。主要4業種で同月比では一般機械、電機精密が増加、電機精密を除き増加。一般機械は268億円(3.2%増)と7ヶ月連続250億円超、自動車は6ヶ月連続200億円超の209億円(17.6%増)、と21ヶ月連続増加となり、自動車販売の動きとは違った状況にある。電機精密は123億円(10.9%減)と前年同月比4ヶ月連続で減少、スマホ向けやPC、一般家電などの一服感が影響している模様。航空・造船・輸送用機械は44億円(15.3%増)とコロナ影響からの回復、15ヶ月連続同月比増加となっている。主要3極別では北米向けが255億円(4.4%増)で19カ月連続増加、アメリカが2.5%増の228億円。但し北米の業種別では自動車が3.9%減、電気・精密21.5%減、一般機械が3.9%減で、航空・造船・輸送機械のみ22.0%増でカバー。アジアは437億円(21.7%増)と3ヶ月連続同月比増加。中国が299億円(24.9%増)と2ヶ月ぶりに増加、上海ロックダウン明けで動きが出てきた。中国の業種では自動車104億円(47.9%増)と大幅回復、一般機械は97億円(11.1%増)、但し電機精密は58億円(7.2%減)と、スマホや白物家電など回復が遅れている模様。なおその他アジアは77億円(25.8%増)と8ヶ月連続増加、特にインドが51.3%増と牽引した。欧州は158億円(12.0%減)と3ヶ月連続マイナス、夏期休暇影響もあり前月比で19.9%減。ドイツが35億円(4.6%減)で19ヶ月ぶりに減少、イタリアも10.2%減、イギリスも32.9%減など、軒並み減少に。業種別では自動車は30億円(15.5%増)とEU中心に増加、生産不振とは異なる動き、一方、電機精密は12.6億円(24.2%減)、一般機械も44.6億円(15.0% 減)と2ケタ減少に。

 

 

グラフ

 

 

内需は同月比16.2%増518億円で17ヶ月連続プラス

 内需は518億円(16.2%増)と17ヶ月連続前年同月比プラス、3ヶ月連続で500億円超に。主要4業種は同月比で全業種増加、前月比では一般機械除きプラス。自動車が135億円(47.4%増)と半導体不足が言われる中で6ヶ月連続100億円超えとなり設備投資増が継続。一般機械は199億円(11.6%増)と補助金効果も継続し18ヶ月連続プラス。電気・精密も75.9億円(50.8%増)と盛り返し、航空・造船・輸送機械は12.4億円(6.5%増)と6ヶ月連続プラス。

 

 

グラフ

 

 

8月販売は24.5%増1259億円と18ヶ月連続同月比増、受注残高9006億円は過去最高額

 8月販売は1259億円(24.5%増)と伸び率が7月の8.6%増から大きく回復、前月比で11.2%増に。BBレシオは1.11あり、受注残高は9006億円(57.1%増)となり、8月の8872億円を抜いて2ヶ月連続過去最高水準更新し、初めて9000億円の大台を超えた。この背景には内需が思いのほか堅調なことや、先行発注、サプライチェーン混乱による納期の期ずれなども影響している模様。

 

 

グラフ

 

 

主要7社の8月受注412億円(13.9%増)と21ヶ月連続増も3社が受注減

 日刊工業新聞がまとめる主要工作機械7社の8月受注実績は412億円(13.9%増)と21ヶ月連続プラス。内訳は輸出257億円(13.6%増)、国内155億円(14.3%増)と7ヶ月連続で400億円超となった。

 

 企業別ではオークマが総額4ヶ月連続で400億円超と、米中向けが好調。一方、ツガミ、二デックOKK、芝浦機械3社が2ヶ月連続で減少。ツガミは中国中心で輸出が55.27億円(5.5%減)で5ヶ月連続で減少、減少率は1ケタに縮小も21年10月以来の60億円割れ。

 

 

グラフ

 

 

2022年暦年受注予測を改定、年初予想比1000億円増額し1兆7500億円(13.5%増)に

 2022年1~8月累計受注は総額11930億円(前年同期比23.9%増)、外需が7746億円(同17.1%増)、内需が4183億円(同38.8%増)となった。この時点で年初の2022歴年工作機械工業会予想の1兆6500億円に対し、進捗率が68.2%となったことで、9/27の8月確報値発表と同時に2022年暦年受注予想を改定、1000億円増額し1兆7500億円(13.5%増)とした。この数字はピークである2018年の1兆8158億円に次ぐ水準となる。内訳は外需1兆1500億円(700億円増増額、11.5%増)、内需6000億円(300億円増額17.6%増)予想で、外需は2018年の1兆654億円を抜いて過去最高額予想となる。

 

 逆算し、今後月平均1393億円予想となるが、これは8月の全体受注水準を引き延ばした数字であり、毎期外需が夏期休暇で減少する8月の数字を採用していることから、実際は為替の円安もあり、海外向けが再増額される公算がある。

 

 

グラフ

 

 

 海外は中国向けが自動車向けに根強い需要が続いていること、米国は国内生産回帰の動きで、4年ぶりに開催されたシカゴの工作機械展「IMTS2022」(9/12~17)では、米中摩擦で中国からの来訪者が激減、学生の見学も控えた中で来訪者は86000人を超え、金利上昇下でも引合いが多くあり、需要が旺盛であるなど、大きく受注が落ち込む要素がないとのこと。欧州についてはドイツの勢いがなくなっているなど、自動車向けはEV等の要素で自動車販売とは異なった動きで堅調なものの、一般機械向け等で多少の不安要素はあるものの、全体として大きく減少する要素はない見通し。このため、全体として為替の円安効果も大きく、1兆2000億円も視野に入ってこよう。

 

 内需については外需以上に堅調な動きが続いているとのこと。自動車向けは自動車メーカーの国内設備需要は想定程度に低調との評価ではあるが、自動車部品各社はメカニカルパーツからEVや安全装置など、電装パーツ等の新分野への展開も含め、生き残りのための設備投資を実行している。また中小企業では工作機械設備年齢が10年以上経過した機械の比率が6割以上とも言われる中で、慢性的な人手不足などで自動化、複合化、精密小型部品対応など、こちらも生き残りをかけた投資を実行せざるを得ない局面となっている。日本では11/8より日本工作機械見本市「JIMTOF22」が開催予定で、60周年を迎える記念の年として「開かれる扉、世界を動かす技術の出会い」をテーマとするなど、新たな需要喚起も期待され、さらにものづくり補助金効果なども大きく、景気がスローダウンしても受注の落ち込みは半年以上ずれるとの見解を示している。

 

 これらを総合して考えると、最終的には2018歴年の数字には届かないものの、2022年暦年の工作機械受注は1兆8000億円も視野に入ってこよう。2023年については1~3月までは堅調な受注を維持し、2022年度受注としても1兆8000億円程度となる見通し。年度としては2017年度の1兆7803億円を抜いて過去最高額更新が見込まれる。

 

 なお2023年度に入って受注は軟化するとみられ、2023年暦年、2023年度ともに受注の2ケタ減を覚悟する必要がある。但し現在、受注残高は過去最大の9000億円を突破、BBレシオも依然として1を上回って推移しており、受注残高が半年以上積み上がっている状況となっている。このため、工作機械各社の収益は22年度(3月期決算企業)については半導体製造装置向け、EV向け、中国で大幅受注獲得となった一部企業で最高益更新が見込まれる他、多くの企業はコロナ前の水準の7~8割程度まで利益回復が見込まれる。また23年度も上期までは高水準の収益を維持するとみられるが、23年度通期については下期収益下落が見込まれ、仕向け先の好不況の差が拡大し、企業間格差が広がる展開が想定される。

 

 

(H.Mirai)

 

 

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