東京製鐵のリサイクル鋼材、トヨタのサーキット競技車両に採用
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)のサーキット競技車両に、東京製鐵社の鋼材が採用され、来る「スーパー耐久レース」にお いて走行予定となった。
CO2 を低減した同社製造のリサイクル鋼材が採用されたのは、トヨタ自動車の競 技車両「ORC ROOKIE GR Corolla H2 Concept」。当該車両は10 月 15 日~16 日に岡山県で行われる「ENEOS スーパー耐 久シリーズ 2022 Powered by Hankook」の「第 6 戦 スーパー耐久レース in 岡山」にて走行予定。
同社材は、国内の貴重な資源である鉄スクラップを原料としたリサイクル鋼材であり、CO2 排出量を製品 1t当たり 0.4tに抑えら れることから、昨今の脱炭素(カーボンニュートラル)や資源循環(サーキュラーエコノミー)推進の機運が高まる中で、大きく注目をされている。「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり・カーボンニュートラル実現に向けた選択肢拡大」を掲げるトヨタ自動車の競技車両(水素エンジン車両)に同社材が採用された。同社の主原料 は、建物の解体などから出る鉄スクラップであり、国内の資源循環を前進させる上でも、今回のトピックは大きな一歩と捉えられる。
「SDGs」が社会の共通認識となるなかで、同社は昨年6月に長期環境ビジョン「Tokyo Steel EcoVision 2050」を改定し、2050 年 におけるカーボンニュートラル達成を新たな目標としている。その実現には、需要の多くを占める「鋼板類」における脱炭素の取り組みが不可欠と考え、今年 6 月には、社長直轄の組織として、「グリーンEV鋼板事業準備室」を発足させた。この取り組みに おいては、鉄鉱石や石炭などの天然資源からではなく、国内に豊富に蓄積された老廃スクラップを主たる原料として、製鋼プロセス における脱炭素化の切り札である電気炉でアップサイクルした 「グリーンEV鋼板」を、2025 年までに自動車産業向けに量産・供給 することを目標としている。今後も、わが国の貴重な資源である鉄スクラップを、より付加価値の高い鉄鋼製品へと「アップサイ クル」させていくチャレンジを進め、環境に優しい電炉鋼材の普及拡大による「カーボンマイナス」を通じ、「循環型社会」と「脱炭素社会」の実現に大きく貢献していくという。
(IRuniverse.jp)
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