10月のアルミ概況および11月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2100-2300ドル ↓
スクラップ 0~ +5円(前月最終価格より) →
為替 145-150円 (一か月間TTM) 円安
■国際概況
前半はミシガン大消費者信頼感指数が予想以上の結果となったこと、米雇用統計が事前予想を上回ったことなどのマイナス材料もあったが、インフレ指標とするPCEデフレータが予想を上回ったこと、ウクライナ情勢激化を受け、米国がロシアのアルミニウム禁止を検討しているとの報道ことを好感しUP
10月15日時点で2369ドル(セツル)と月初価格か189ドルUPの前半締めとなった。
後半は連日の米長期金利低下とドル安やFRB利上げ減速をWSJが報じたことを受けた米株反発のプラス材料あったが米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ観測とこれに伴う景気後退懸念が根強いうえ、ECBや英中銀も大幅利上げを実施するとの見方が重石となり売り優勢となったことを嫌気しDOWN。
10月末日 現在、後半スタート価格14ドルDOWNの2226ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
145.81 → 149.26(円)
出典 MIRU
【国内指標】
◆自動車生産台数
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+79.3%の71万3626台
輸出は前年同月比+87.6%の34万4807台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19.7%の21万1542台
自動車生産台数
自動車販売台数推移
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比1.0%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比5.1%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 73,920 戸。
・前年同月比 1.0%増, 2か月連続の増加。
○新設住宅着工床面積は 5,844千㎡。
・前年同月比 2.8%減, 先月の増加から再びの減少。
○季節調整済年率換算値では 857千戸。
・前月比 5.1%減, 先月の増加から再びの減少。
◆ 貿易指標
【輸出】
新地金 -38.4%の93t
2次合金 -24.6%の1786t
スクラップ +34.3%の3万6350t
アルミ缶 -9.5% 7054t
【輸入】
新地金 +0.8% 10万4846t
二次合金 +0.9%の8万5765t
スクラップ +49.4%の698t
合金スクラップ -11.9%の5013t
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -7% 14万9973t 6カ月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 6万6472t 13カ月ぶりプラス
出荷は +5.9% 6万7673t 13か月ぶりプラス
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると9月の自動車生産台数は前年比+79.3%の71万3626台
輸出は前年同月比+87.6%の34万4807台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると10月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19.7%の21万1542台
内 乗用車 +23.6%
貨物 -2.9%
バス -8.4%
【住宅着工戸数】
9月の新設住宅着工は,持家は減少したが,貸家及び分譲住宅が増加したため,全体で前年同月比1.0%の増加となった。また,季節調整済年率換算値では前月比5.1%の減少となった。
○新設住宅着工戸数は 73,920 戸。
・前年同月比 1.0%増, 2か月連続の増加。
○新設住宅着工床面積は 5,844千㎡。
・前年同月比 2.8%減, 先月の増加から再びの減少。
○季節調整済年率換算値では 857千戸。
・前月比 5.1%減, 先月の増加から再びの減少。
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -7% 14万9973t 6カ月連続マイナス
板 類 9万3601t --5% 5か月連続マイナス
押出類 5万6372t -6% 9か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 6万6472t 13カ月ぶりプラス
出荷は +5.9% 6万7673t 13か月ぶりプラス
【輸出】
新地金 -38.4%の93t
2次合金 -24.6%の1786t
スクラップ +34.3%の3万6350t
アルミ缶 -9.5% 7054t
【輸入】
新地金 +0.8% 10万4846t
二次合金 +0.9%の8万5765t
スクラップ +49.4%の698t
合金スクラップ -11.9%の5013t
[見通し】
【自動車】
9月の自動車生産が+79.3%。10月国内販売台数が前年比+19.7%
2カ月連続生産、販売共に大幅増加!
ようやく大幅に回復してきた 今後このペースで挽回生産に続くか注視
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -7% 14万9973t 6カ月連続マイナス
住宅着工の増加により来月以降に期待。
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +5.8% 6万6472t 13カ月ぶりプラス
出荷は +5.9% 6万7673t 13か月ぶりプラス
中国のゼロコロナ政策の影響は残るもの急激な自動車生産の回復により今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
・アルミ輸出は中国向けや円安を受けてスクラップが増加
・アルミ輸入は内需回復からッ合金スクラップ以外増加。
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は欧米の金融引き締め策からLME価格が2200-2400ドルと低位安定。自動車生産や住宅着工の低迷から入荷も少なそう。
需要面に関しては中国のゼロコロナ政策の影響は残るものの急激な自動車生産の回復により今後、自動車の挽回生産が進行するものと期待される
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
1、米欧の金融政策
2、中国のゼロコロナ対策(ロックダウンなど)の動向
1、に関しては
米国に関してパウエル議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で政策金利の終着点(ターミナルレート)がFRBの従来予想より高くなる可能性を示唆し、早期の利上げ停止も否定したことから次回も0.75%の利上げを行うのではないか。
ECB(欧州)に関しては 英イングランド銀行(中央銀行)も0.75%の利上げを決め、利上げ幅を前回(0.5%)から引き上げたことからECBもこれに続くのではないか。
2、に関して
(中国共産党大会2022)でゼロコロナ継続を示唆されたことからしばらく継続の様子。
これらを踏まえた9月のアルミ価格は 2100―2300ドル(セツル)との予想。
ドル円値は140円~145円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては 据置から+5円程度と予想している。
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