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今何故インドはe-waste収集を急ぐのか、大規模リサイクル導入の好機

 世界のe-Wasteの価値は、2019年時点でクリティカルメタル、ノンクリティカルに拘わらず、$570億(7.81兆円、@137\/$)に上る事が判明した。印度は世界のe-Waste発生量の内、中国、米国に次ぐ世界第3位の発生量である事が国連の支援を受けたモニター調査で判明したと12月5日のThe Times of India(TOI)紙が伝えた。

 

 

 印度のe-Wasteの収集率は僅か22%で残り78%は収集されていない。その主な理由は、認定されているリサイクル業者が472社も活動しているが、実際に公式な処理能力の半分程度しか稼働していない事や、認定されていない業者も多数が活動しており、しかも大半のリサイクルは人が介入したプロセスを解体後に焼却する手法でリサイクル設備の機械化が非常に遅れており、その上に焼却により有害なプラスチックの燃焼により環境汚染や土壌汚染が問題となっているからである。

 

 世界では多くの経済が発達した国々のリサイクル率は50-70%に達しているものの、その他の国々のリサイクル率が非常に低いレベルの為、世界全体では僅か17.4%のリサイクル率に留まっている。

 

 その意味では印度のリサイクル率が22%である事も理解できる。

 世界のe-Waste発生量が2020年5,550万トンから2030年までに7,470万トンまで増加する事が予想されている。IIT RoorkeeのNikhi Dhawa教授は、印度の収集が進まない理由はリサイクル設備の不備が理由だとTOI氏へ語った。

 更にリサイクル設備投資も大きく不足しており、大半が人手で解体し、違法な野焼きや溶融が行われているとした。Recycle India Foundation秘書長Ashish Agarwal氏は、原始的なレベルのリサイクルが環境を破壊している原因であると指摘し、消費者にも廃棄しない為に何らかのインセンティブも必要であると指摘した。

 

 筆者が若い頃に印度で受けた印象は、資源は何でも大切にして暮らしている国であると強い印象があった。それは路上に落ちた牛の糞を道路わきから細い手が出てきてそれをそっと拾って、燃料にしている事を知った経験からである。

 

 しかし現在の印度は我々と同じ消費志向社会になってリサイクルシステムが非常に遅れてしまった事が判明した。日本のリサイクル企業には是非スズキ自動車に続いて印度のリサイクル業界の育成に貢献して貰いたいと痛感した次第である。

 印度政府もリサイクル率と環境改善の為には大規模の機械化され環境への悪影響の無いリサイクル設備の導入の必要性を理解しており、今が日本のリサイクル企業の勇気ある挑戦の好機であると確信する。

 

 

(IRUNIVERSE Katagiri)

 

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