工作機械工業会11月受注速報 11月7.8%減1341億円は2カ月連続減少で本年最低額
11月受注は1341億円(7.8%減)と2カ月連続減少で本年最低額、内外とも減少続く
12/12の15時に日本工作機械工業会の2022年10月受注速報が開示された。11月受注は1341億円(7.8%減)と2カ月連続で減少となり、2月の1390億円を下回り本年の最低額となり、2021年8月1259億円以来の水準となった。11月として過去5番目の数字に止まり、JIMTOF2022年終了後の受注増の期待は外れた格好に。なお1~11月累計は1兆6190億円(同期比15.5%増)、工業会暦年修正予想1兆7500億円未達の懸念も出てきた。
内訳は外需が884億円(7.3%減)と2年ぶりに減少した10月に続き2カ月連続で減少となった。11月としては過去4番目の金額に止まっており、円安寄与の中で実質は高原状況から急速に減速方向に向かう懸念がある。内需は457億円(8.5%減)と3ヶ月連続で減少、11/8より開催されたJIMTOF2022での商談が進む期待も空振りで、補助金効果が一巡、自動車生産回復の遅れ、半導体向けの反動減なども影響していると思われる。
景気動向の先行指標とも言える工作機械受注の減少は、設備投資全体の減速の前触れとも言えよう。
鍛圧機械11月受注は47.8%増266億円で3か月ぶりプラスは海外増が大きく寄与
工作機械と同じ金属加工機械である鍛圧機械の11月受注(12/8発表)は266億円(47.8%増)と3ヶ月ぶりにプラスに転じた。
国内が111億円(2.0%増)、内訳は自動車22.9%増、鉄鋼54.5%増も、一般機械、電気など減少。輸出は155億円(2.2倍)と、中国向け3.4倍、北米2.2倍、インド15.6倍など寄与し、東南アジア向けのみ減少。機種別内訳はプレス機械が151億円(94.0%増)と3か月ぶりに増加、機種では超大型プレスの寄与が大きい。板金系も115億円(12.5%増)と4ヶ月ぶりに同月比増加に。この結果、1~11月累計で2593億円(17.2%増)、7月に増額修正した暦年2970億円に達しない可能性は依然変わりない。
10月工作機器生産額は2%増181億円と22ヶ月連続増
工作機械に関連する工作機器では、日本工作機器工業会が12/9に発表した22年10月の生産額は181億円(2%増)と22か月連続増加した。主力ボールネジが23ヶ月連続プラスで前年同月比4%増の36億円、直動軸受は24ヶ月連続プラスで5%増の64億円となったが、2機種とも2カ月連続で1ケタの金額の伸びにとどまる。なお直動は数量20.7%増と23ヶ月連続数量増。工作機械以外で半導体製造装置向け、医療機器等の増加、用途拡大が寄与している模様。
(H.Mirai)
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