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2022暦年及び12月(速報) 鉄鋼生産概況(詳細)

 2023年1月23日、日本鉄鋼連盟が2022暦年及び12月の鉄鋼生産概況(速報)を発表した。2022年度12月の粗鋼生産は689.9万トン、前月(717.5万トン)比3.8 %減、前年同月(793.6.万トン)比13.1 %減と、ともに減少し、前年同月比では12か月連続の減少。2022暦年粗鋼生産は、8,923万トンと9千万トンを下回り、前暦年(9,634万トン)比では7.4 %減と2年ぶりの減少となる見通し。

 

 12月の1日当たり粗鋼生産は22.3万トンで、11月の同23.9万トン比では6.9 %減となった。7月〜9月(確定)の粗鋼生産は2,182.0万トン(前年同期比9.4 %減)、4月~9月では4,480.5万トン(同7.5 %減)、10月〜12月(速報)では、2,141.8万トン(同11.5%減)となる。

 

 2021年暦年の粗鋼生産は9,633.6万トンと20年(8,318.6万トン)比15.8 %増と5年ぶりの増加となった。2022年暦年(速報)の粗鋼生産は8,923万トン、前暦年比7.4 %減。9千万トンを下回り、2年ぶりの減少。20暦年比では上回る。

 

 鉄鋼連盟が1月23日に発表した2023年度の鉄鋼需要見通しは下記参照。2023年度の粗鋼生産は前年度比微増、9000万トンを上回る見込みとした。

2023tekkoujyuyoumitoshi.pdf (jisf.or.jp)

 

<銑鉄生産高>

 図1に、1925年~2022年12月(速報値)までの銑鉄及び粗鋼生産推移(昭和1年~令和3年度は月換算)を示す。銑鉄(水色 折れ線)の月生産量は、2021年度は5月のみ600万トンを上回ったが、その後は600万トンを下回り、550万トンを前後しながら減少傾向を示し、6月及び7月では、520万トン台まで減少し、8月では542万トン台に戻したが、9月以降は520万トンを下回った。この8月及び9月の変動には、9月に吹き止めした(2023年1月13日に火入れした。)JFEスチール東日本製鉄所千葉地区(千葉市)の第6高炉の影響があると思われる。12月(速報)では、506.4万トンと9月に次ぐ減少となった。

図1 銑鉄及び粗鋼生産推移 12月(速報)まで(昭和1年~令和3年度は月換算)

 

<銑鉄生産高>

<11月 銑鉄生産高 (確定)>

○ 銑鉄生産は 510.5万トンと前月(520.4万トン)比1.9 %減、2021年11月(569.7万トン)比10.4 %減となり、ともに減少し、前年同月比では11か月連続の減少となった。

 

<12月 銑鉄生産高 (速報)>

○ 銑鉄生産は 506.4万トンと前月比0.8 %減、2021年12月(590.7万トン)比14.3 %減となり、ともに減少し、前年同月比では12か月連続の減少となる見通し

 

 2021暦年の銑鉄生産は7,034.4万トンと20暦年(6,160万トン)比14.2%増、7年ぶりの増加となった。2022年1月〜12月(速報値)では、6,414.7万トンであり、前年比8.8 %減と、2年ぶりの減少となる見通し。

 

<粗鋼生産高>

<11月 粗鋼生産高 (確定)>

○ 粗鋼生産 は717.5万トンと前月(734.4万トン)比2.3 %減、前年同月(804.2万トン)比10.8 %減となり、前年同月比では11か月連続の見通し。11月の1日当たり粗鋼生産は23.9万トンで、10月の同23.7万トン比0.8 %増となった。

 

<12月 粗鋼生産高 (速報)>

○ 粗鋼生産 は689.9万トンと前月(717.5万トン)比3.8 %減、前年同月(793.6万トン)比13.1 %減となり、前年同月比では12か月連続の見通し。12月の1日当たり粗鋼生産は22.3万トンで、11月の同23.9万トン比6.9 %減となった。

 

《炉別生産高》

<11月 炉別生産高 (確定)>

○ 炉別生産 では、11月は、転炉鋼が517.4万トンと前月(530.3万トン)比2.4 %減、前年同月(583.3万トン)比11.3 %減、電炉鋼が200.1万トンと前月(204.1万トン)比2.0 %減、前年同月(220.9万トン)比9.4 減と、前年同月比では転炉鋼は11か月連続の減少、電炉鋼は4か月連続の減少となった。

 

<12月 炉別生産高 (速報)>

○ 炉別生産 では、12月は、転炉鋼が508.6万トンと前月比1.7 %減、前年同月(593.9万トン)比14.4 %減、電炉鋼が181.3万トンと前月比9.4 %減、前年同月(199.6万トン)比9.2 減と、前年同月比では転炉鋼は12か月連続の減少、電炉鋼は5か月連続の減少の見通しとなった。

 

 2021暦年の炉別生産では、転炉鋼が7,194.5万トン(前年比16.0 %増)、電炉鋼が2,439.1万トン(同15.4 %増)となり、前年比では転炉鋼は5年ぶりの増加、電炉鋼は3年ぶりの増加となった。2022年1月〜12月(速報値)では、転炉鋼が6,540.3万トン(前暦年比9.1 %減)、電炉鋼が2,383.2 万トン(同比2.3 %減)と、前暦年比では転炉鋼、電炉鋼ともに2年ぶりの減少となる見通し。

 

 図2には、平成17年度からの銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(昭和1年~令和3年度は月換算)を示す。

図2 銑鉄、粗鋼、熱間圧延鋼材の月別生産高推移(昭和1年~令和3年度は月換算

 

 図2に示すように、電炉比(濃青 折れ線 右軸)は、2022年1月は25.0 %を下回ったが、6月に28.8%と最高値を示し、夏季定修の8月は24 %台に減少したが、その後や約28 %台を維持した。一方転炉は、8月末に、日本製鉄名古屋製鉄所第3高炉が再稼働したが、9月からJFE-S千葉製鉄所第6高炉は定修にはいったため、低位安定となった。

 

<鋼種別粗鋼生産高>

 図3に2019年1月からの、銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の月別推移を示す。

図3 銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の生産高推移 月別実績(12月は速報)

 

<鋼種別生産 11月(確定)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が559.8万トンと前月(570.9万トン)比1.9 %減、前年同月(622.1万トン)比10.0 %減、特殊鋼が157.7万トンと前月(163.6万トン)比3.6 %減、前年同月(182.1万トン)比13.4 %減と、前年同月比では普通鋼は11か月連続の減少、特殊鋼10か月連続の減少となった。

 

<鋼種別生産 12月(速報)>

○ 鋼種別粗鋼生産 では、普通鋼が535.1万トンと前月比4.4 %減、前年同月(611.9万トン)比12.5 %減、特殊鋼が154.8万トンと前月比1.8 %減、前年同月(181.7万トン)比14.8 %減と、前年同月比では普通鋼は12か月連続の減少、特殊鋼11か月連続の減少の見通し。

 

 2021暦年の鋼種別生産では普通鋼が7,391.0万トン(前年比12.4 %増)、特殊鋼が2,242.6万トン(同28.6 %増)となり、前年比では普通鋼は8年ぶりの増加、特殊鋼は4年ぶりの増加となった。

 

2022年1月〜12月(速報値)では、普通鋼が6,881.5万トン(前暦年比6.9 %減)、特殊鋼が2,042.0万トン(同比8.9 %減)と、ともに2年ぶりの減少となる見通し。

 

 

 表1に全国鉄鋼生産高 2022年12月(速報)及び2022年11月(確定)を、表2に比較データ 粗鋼炉別構成比、及び表3に比較データ 粗鋼生産高月換算値を示す。

 

表1 全国鉄鋼生産高 2022年12月(速報)2022年11月(確定)

11月実績(確定)は、前月速報値を修正(黄色マーカー部)

 

表2 比較データ<2018年度~2021年度11月確定 粗鋼炉別構成比:月換算>

表3 比較データ <2018年度~2022年度11月確定 粗鋼生産量:月換算>

 

 図4に2022年12月(速報)までの熱間圧延鋼材(赤折れ線グラフ)の生産高推移を示す。

図4 熱間圧延鋼材の生産高推移(平成17年~令和3年度は月換算)

 

<熱間圧延鋼材生産高 11月(確定)>

○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は652.1万トンと前月(666.2万トン)比2.1 %減、前年同月(711.0万トン)比8.3 %減となり、前年同月比では11か月連続の減少となった。

 

普通鋼熱間圧延鋼材 の生産は511.2万トンと前月(524.8万トン)比2.6 %減、前年同月(559.2万トン)比。8.6 %減となり、前年同月比では6か月連続の減少。

 

特殊鋼熱間圧延鋼材 の生産は140.8万トンと前月(141.4万トン)比0.4 %減、前年同月(151.8万トン)比7.2 %減となり、前年同月比では10か月連続の減少。

 

<熱間圧延鋼材生産高 12月(速報)>

○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は609.8万トンと前月比6.5 %減、前年同月(694.0万トン)比12.1 %減となり、前年同月比では12か月連続の減少の見通し。

 

普通鋼熱間圧延鋼材 の生産は479.2万トンと前月比6.3 %減、前年同月(548.3万トン)比12.6 %減となり、前年同月比では7か月連続の減少の見通し。

 

特殊鋼熱間圧延鋼材 の生産は130.6万トンと前月比7.3 %減、前年同月(145.7万トン)比10.4 %減となり、前年同月比では10か月連続の減少の見通し。

 

 

 表4に2022年12月(速報)及び11月(確定)鋼材生産高を示す。

 

表4 2022年12月(速報)及び11月(確定) 全国鋼材生産高

11月実績(確定):前月速報値を修正(黄色マーカー部)

 

 2021暦年の熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産高は8,442.4万トンと前年(7,376.5万トン)比14.5 %増、5年ぶりの増加となった。普通鋼が6,587.3 万トン(前年比11.2 %増)、特殊鋼は1,855.1万トン(同27.9 %増)となり、前年比では普通鋼は5年ぶりの増加、特殊鋼は3年ぶりの増加となった。

 

2022年1月〜12月(速報値)では、熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)生産高は、7,863.8万トン(前年比6.9%減)と8,000万トンを下回り、2年ぶりの減少となる見通し。

 

 鋼種別にみると、普通鋼は6,174.8万トン(前暦年比6.3 %減)、特殊鋼は1,689.0万トン(同比9.0 %減)の、ともに2年ぶりの減少の見通し。

 

 表5に月換算値との比較データを示す。

表5  鋼材生産高 月換算値との比較

 

 参考情報

<普通鋼鋼材受注>

 日本鉄鋼連盟が1月16日発表した普通鋼鋼材受注で国内自動車向けは前年同月比9.7 %増の51万5千トンで4か月連続の増加だった。11月の受注全体は同7.9%減の446万9千トンで8か月連続の減少。内内需は6.0%減の290万3千トンで15か月連続の減、輸出は同11.1%減の156万6千トンの3か月ぶりの減少。

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

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