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タツモ(6266) 21/12期WEB決算説明会メモ パワー半導体向け好調で連続営利最高益

22/12期は半導体装置、搬送機器増で10.7%増収34.1%営利増、受注3%増も受注残40%増

 

株価1917円(3/3) 時価総額284億円 発行済株14813千株

PER(DO予:10.9X)PBR(1.61X) 配当(23/12DO予)24円  配当利回り:1.3%

 

要約

・22/12期半導体装置、搬送機器増で10.7%増収34.1%営利増と最高益更新

・22/12期会社予想は29.0%増収11.1%営利増予想も豊富な受注残消化進み上方修正期待

・中計再見直し25/12期に売上高406億円、経常利益50億円目指す

 

22/12期半導体装置、搬送機器増で10.7%増収34.1%営利増と最高益更新

 

  塗布技術を生かした半導体装置を中心に事業展開。2/13に決算を公表、2/20にリアルで説明会が行われた。22/12期は売上高243.56億円(8/10増額修正計画比17.77億円未達成、10.7%増)、営業利益28.06億円(同1.82億円未達、34.1%増)、経常利益31.38億円(同2.58億円未達、41.5%増)、税引利益22.63億円(同1.49億円未達、29.4%増)と、検収遅延の影響が複数発生も過去最高益更新に。なお受注高353.55億円(3.0%増)で半導体製造装置関連企業として健闘しており、検収が完了せず受注残高が383.25億円(40.3%増)と膨れ上がった。

 

 製品別では主力のプロセス機器部門が売上高191.94億円(計画比11.01億円減、9.5%増)、営利26.36億円(同1.14億円減額、36.0%増)、受注残高296.35億円(21.9%増)に。この内、半導体装置は売上高59.98億円(同0.71億円減額、30.3%増)、受注は109.38億円(29.9%増)となった。貼合/剥離装置がパワーデバイス向けに受注伸長、売上も40%強と塗布/現像装置を上回った。搬送装置は売上高71.37億円(同3.41億円増額、29.2%増)、受注は90.44億円(22.6%増)と、半導体製造装置向けに受注、売上とも好調。洗浄装置は売上高28.65億円(同4.85億円未達、23.2%減)、受注35.19億円(59.3%減)、売上は検収遅れ、受注は前期のSUMCO向け大型投資(21/12Q4は58.15億円)の反動減が影響した。コーターは売上高31.94億円(同8.86億円未達、12.9%減)、受注10.24億円(73.8%減)と、売上は検収遅れ、受注はLCD設備投資大幅減で低調に推移した。利益面では複数の検収遅れで計画比売上減額となったが、MIX良化から営業利益率は13.7%と16/12期の過去最高水準と並び、大幅営利増から3期連続で過去最高営利更新となった。

 

 その他事業では、表面処理事業が売上高37.63億円(同3.74億円未達、29.8%増)、営利1.75億円(2.0倍)と車載用にプリント配線基板メーカーの設備増強から収益が大幅伸長に。なお金型・樹脂成形は売上高14.00億円(10.9%減)営利0.11億円(21.4%減)も全体への影響は小さい。

 

 同社は例年Q4の売上が多く、22/12期も同様の動きとなっている。但し受注では特に21/12Q4が突出、この分を除くと22/12Q4受注は同期比横ばい水準を確保、半導体製造装置関連企業の受注急減と比較して、同社においてはパワー半導体やウェハ関連の寄与で、検収遅れの中でも収益好調を維持していると言えよう。

 

22/12期会社予想は29.0%増収11.1%営利増予想も豊富な受注残消化進み上方修正期待

 

 23/12期会社予想は売上高314.23億円(29.0%増)、営業利益31.18億円(11.1%増)、経常利益30.87億円(1.6%減)、税引利益21.00億円(6.8%減)と、豊富な受注残383.25億円を背景に売上拡大を見込む。但し利益面では前期に積み残した設備投資、研究開発費の上乗せなどで研究開発費増3.85億円(2.0倍)、人件費増、MIX悪化、円安一巡などで営業利益率の低下を見込み、営業利益の伸びが小さく、営業外で為替差益を見込まず経常減益予想としている。なお、既に受注残高、検収遅れで納期遅延となっている分を勘案して、売上目標は最低でも達成可能な数字としている。

 

 セグメント別売上予想ではプロセス機器が229.71億円(19.7%増)予想。中身は半導体製造装置82.22億円(37.1%増)、搬送機器74.53億円(4.4%増)、洗浄機44.12億円(54.0%増)、コーター28.85億円(9.7%減)予想としている。半導体製造装置についてはパワー半導体向けの貼合/剥離装置が繁忙で65億円(2.5倍)を見込む。一方、塗布/現像装置は一服し4億円(84%減)予想。また紫外線照射装置で6.5億円と新規売上げを見込む。洗浄機はサムコ向けの売上が寄与し大幅増に。コーターではFPD向けが36.7%減も、ナノインプリント向けが21%増、パネルレベルパッケージでの売上が新規に4.6億円見込めるなど、FPD向けの大幅減を半導体関連で補い、売上減を最小限に止める計画。

 

 同社は受注予想の開示を行っていないものの、足元もパワー半導体向けの引き合いは依然として強く、生産が追い付かない状況が続いているとのことで、大幅な受注減とはならないとみられる。なお、部材調達難やサプライチェーン混乱影響が緩和されており、受注残高の消化が進みとみられ、会社計画を上回る売上が見込まれ、利益面でも大きなMIX悪化とならないと判断、利益も増額が見込まれ、経常利益でも増益を維持し、連続最高益更新が見込まれる。なお2/21には井原市第一工場の近接地に工場用地(1.8ha)を7.2億円で取得し、新工場建設を行う予定であることも開示、更なる生産能力増強にも意欲的に取り組んでいる。

 

中計再見直し25/12期に売上高406億円、経常利益50億円目指す

 

 会社側では昨年策定見直しした中計「TAZMO Vision2024」で、24/12期に売上高338.52億円、経常利益46.41億円を目指すこととした。しかし今回、部材調達難などの継続から、再度中計を見直し、最終年度を25/12期として「TAZMO Vision2025」を策定、25/12期に売上高406億円、経常利益50億円達成を目指すとした。 

 

 内訳は半導体装置の増額が主で、22/12期の60億円に対し25/12期は127億円を見込む。中でも中心となるのが貼合/剥離装置で、22/12期の26億円に対し25/12期に75億円を目指す。この背景にはパワー半導体設備投資の伸長がある。現在、インフィニオン、NPXなど主要ユーザーのパワー半導体投資拡大に加え、中国の大攻勢、日本でも新工場建設が相次ぐ環境で、装置需要の大幅拡大が続く中で、パワー半導体では高性能化のために薄化が必須で、ほぼ9割近いシェアを有する貼合/剥離装置の需要はパワー半導体の伸び率以上に加速が見込まれる。またFPD中心に低迷していたコーターでは半導体製造向けにハイエンドサーバーで期待されるPLP対応装置で5/12期には10億円程度の売上を見込む。さらにナノインプラント装置がVR/AR向け等は従来のフォトグラフィーでは斜め形状の加工ができないため、25/12期には30億円規模に急拡大が見込まれるなど、様変わりが見込まれる。このような環境から、半導体業界全般が足踏みする中でも新中計について前倒し達成する期待が高まる。

 

 

 

 

(H.Mirai)

 
 

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