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レアアース需給、中国の寡占は縮小方向 価格は伸び悩み JOGMECセミナーなどから分析

 世界の希土類(レアアース)需給に変化が起きつつある。中国での生産の寡占が長く指摘されてきたが、近年はベトナムなどでの採掘も進み、中国のシェアは低下方向にある。一方、価格は中国の電気自動車(EV)販売の伸び悩みを受け、足元では上値の重い展開が続く。

 

■レアアース生産、現状は中国が7割

 レアアースは17種の希土類の総称で、元素が近いため多くが同時に採掘される。米内務省地質調査所のデータによると、生産量は2022年(速報値)に約30万トンと過去10年間で3倍近くに増えた。

 

世界のレアアース生産シェア(米内務省地質調査所)

 

 

 このうち中国が21万トンを生産し、約7割を占める。他は米国が軽希土類を中心に約4万3000トン、オーストラリアが1万8000トンを生産する。2022年はベトナムの生産量が前年に比べ約10倍に増えるなど、東南アジアでの生産も盛んになりつつある。

 かつてはミャンマーもレアアースの生産国で、2021年には3万トン余りを生産していた。ただ、このところの政変や生産を担う中国企業と地元住民との関係悪化などで2022年は生産が鈍り、前年比で6割減となった。

 

■中国の国有企業改革に注意

 もっとも、中国の寡占は縮小しつつある。 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)金属資源情報金属企画部調査課の千葉樹氏は、4月下旬のオンラインセミナーで「中国の市場シェアはかつての9割近くから低下している」と指摘した。

 

中国の生産シェアの移り変わり(JOGMEC)

 

 

 中国では、そもそも政府が年間採掘量を決めておりそれ以上の採掘はできない。

 加えて、同国は金属採掘企業の再編を進行中だ。これは同国が10年以上前から取り組む国有企業改革の一環で、国有企業の生鮮性向上を目指し、同義用主幹の統合を進めてきた。既に海運や鉄鋼などで産業形態を整え、現在は金属業に着手している。

 具体的には、2021年に中国アルミ業のレアアース子会社など6社を統合して、レアアース国策会社「中国稀土集団」を発足させた。今後は広東省の広東省レアアース集団などを中国稀土集団に吸収し、レアアースは「中国北方稀土集団」と「中国稀土集団」の2大手に集約するとみられている。

 

中国の国有企業改革(JOGMEC)

 

■価格低迷で中国以外の地域での生産に影響も

 一方、レアアース価格は伸び悩んでいる。中国政府がEV向け補助金を撤廃した影響で中国のEV販売の伸びが鈍っており、電池材料としてのレアアース価格に影響している。JOGMECの千葉氏は「製品価格の影響が採掘企業の業績に影響すれば、中国以外の地域での採掘状況に影響することも考えられる」と指摘していた。

 

 

(IRuniverse Kure)

 

 

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