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進む円安、再び150円突破? アナリスト予想、原油や銅金、株はどうなる 

 円安が再び進んでいる。6月23日午後の東京外国為替市場で日本円は1ドル=143円台前半と2022年11月以来およそ7か月ぶりの円安水準で推移している。欧米の利上げ方針が続くとの見方から金融緩和を続ける日本との金利差拡大を見込んだ動きが再燃している。一方で日経平均株価は33年ぶりの水準で高止まりし、金属を含む商品価格も不安定な動きとなっている。

 

■円相場、一時的に150円突破も

 英中央銀行のイングランド銀行が6月22日に0.5%の利上げを決め、欧州中央銀行(ECB)も利上げに踏み切るとの観測が再燃している。米連邦準備理事会(FRB)も「年内に2回程度の利上げが妥当」との見方を示しており、円を売って高金利が望めるユーロやドルを買う動きが進んでいる。

 

 金融アナリストの川上敦氏は6月22日、IR Universeの取材に対し、「再び1ドル=150円を突破する可能性はある」と予測。ただ、「円安要因となっている日米の実質金利差の拡大は、米長期金利の上昇鈍化により最近は鈍っている。ドル円は一時的に150円を突破しても長続きしないのではないか」と話した。日銀は過去に145円と151円でドル売り円買い介入に踏み切っており、「当局が意識しているラインにも近づいている」(川上氏)という。

 

 一方、日本総合研究所(日本総研)も6月12日発表の公開リポートで、「米インフレの落ち着きに伴い、今後の米利下げを織り込んだドル売りが出てくる」と予想。円安のピークは4~6月期とした。

 

日本総研の為替予想(2023年6月号)

(出所:日本総研ホームページ)

 

 日本総研によれば、ユーロは対他国通貨でドルに比べやや底堅いが、南欧諸国の景気悪化などが足かせになる恐れがあるという。

 

■日本株はなお割安

 一方、6月23日の日経平均株価は前日比483.円34銭安の3万2781円54銭で引けた。大幅続落となったものの、水準はやはり1990年7月以来の高値圏。川上氏は「3万5000乗せはあり得る」と話す。理由は、日本株は米株などに比べなお割安感が強いためだ。

 

過去3か月間の日経平均株価の推移

 

日米株のPBR差

(出所: 川上敦氏の経済セミナー)

 

 川上氏が6月6日の経済セミナーで発表した資料によると、日本株の予想株価収益率(PBR)は10倍台がほとんどで、20倍超えが目立つ米国株に比べ割安感が強い。円安も手伝い、「海外からは株を含めた日本の資産は安く見え、投資マネーが流入を続ける」(川上氏)と予測される。

 

■金相場は高止まりか

 金相場も上昇余地があるようだ。特に円安が影響する国内金は押し上げの勢いが強く、田中貴金属工業の店頭小売価格は6月19日に1g=9876円と過去最高値を更新した。山元建値も同日に8956円を付けている。

 

過去3か月間の山元建値(jpy/g)とNY金($/toz)の推移

 

 もちろん、国際金相場も底堅い。川上氏は「今後、米長期金利の上昇が峠を越えれば、ドルの代替商品として金が買われる局面がありそうだ」と予想していた。

 

■銅と原油はいまひとつ

 一方、銅相場に関しては、最大の消費国である中国の景気減速が需要減につながるとの見方から、「緩慢な価格下落方向」(川上氏)との見立てが聞かれる。

 

過去3か月間のNY銅相場の推移($/lb)

 

 値下がり傾向は原油も同じで、世界景気の減速観測が強まる中、「上昇バイアスは極めて小さい」(川上氏)との声が聞かれた。

 

過去3か月間のNY原油の推移($/barrel)

 

 ただ、日本総研は6月の公開リポートで「産油国の減産が需給を引き締め」るため、原油価格の下値は限られると指摘。「1バレル=70ドル程度で底堅く推移する」と予想した。

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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