REIA年次総会③テルビウム活用など議論、モンゴルのレアアース状況も報告
ベルギー拠点のレアアース業界団体であるグローバルレアアース産業協会(The Global Rare Earth Industry Association :以下REIA)は、6月21-23日にスペイン・バルセロナで2023年の年次総会を開催した。講演とパネルディスカッションの内容について、引き続き抜粋して紹介する。
■持続可能な投資を考える
6月22日の第3パネルディスカッションの議題は、「持続可能な投資:企業が最適なESGに達するための時間と経費への対処法」。米商品ヘッジファンドであるヴァレント・アセットマネジメント社のドナ・ヴァレハ-ウォルシュ氏が司会を務め、鉱物資源サプライチェーン(供給網)構築事業を手掛ける米グリーンメット社の創設者であるドリュー・ホーン氏らが参加した。
リンクトインの6月23日報道によると、ディスカッションでは、より多くの分野でテルビウムとジスプロシウムの混合物への投資がなされるべきだとの提言があった。技術権と知的財産権の必要性について話し合われたほか、投資とESGのバランスのためのリサイクルへも注目された。
■モンゴル、世界のレアアース埋蔵量の36%
6月23日午前には、包頭希土類研究所の副所長であるヤン・ワン氏が講演した。議題は「モンゴルのレアアース投資: 現状と展望」。リンクトインの6月24日報道によると、同氏は世界のレアアース埋蔵量の36%がモンゴルにあると指摘。生産能力の面でも、中国内外の需要を満たす規模にあると述べたという。
包頭希土類研究所のヤン・ワン氏
(出所: リンクトイン)
3日間に及んだ総会を総括し、REIAのBadrinath Veluri会長は6月23日、「38カ国・地域から245人の参加者を招くことができ、盛況に終えることができた」と締めくくった。
関連記事:REIA年次総会①ポンペオ元米国務長官「鉱物資源への持続可能なアクセスを」 | MIRU (iru-miru.com)
関連記事:REIA年次総会②レアアースとエネルギー転換の関係検証、EVも議題に | MIRU (iru-miru.com)
REIA年次総会の登壇スケジュールはこちら:» 2023 REIA Annual Conference and General Assembly REIA - Rare Earth Industry Association (global-reia.org)
英語サイトはこちら
(IR Universe Kure)
関連記事
- 2025/02/14 半導体製品輸出入Report#95マイコン輸出 中国に助けられている日本のマイコン 2025年正念場か
- 2025/02/13 豪州からの風#37 重要鉱物に対する画期的な税制優遇法案が可決 投資促進の期待
- 2025/02/12 レアメタル千夜一夜 第17夜 レアメタル開発とミャンマーの麻薬の世界
- 2025/02/12 レアメタル千夜一夜 第16夜 投機と価格操作渦巻く市場
- 2025/02/10 半導体製造装置輸出Report #79 2024年輸出額3兆円超え
- 2025/02/10 (速報)国内携帯電話出荷 2024年出荷台数570万台 前年比26%減少 2年で半減
- 2025/02/10 レアアース市場近況2025#3 春節明けで小幅上昇 ネオジムとテルビウムが節目越え
- 2025/02/07 酸化イットリウム輸入Report #42 2024年輸入量3年ぶり増加 中国依存度も高まる
- 2025/02/07 酸化セリウム輸入Report #67 2024年輸入量増加 自動車と半導体需要が支え
- 2025/02/06 中国外務省は、米国が中国製品に10%の関税を課すことに対抗するために必要な対抗措置を講じる