清水建設のSEP船、母港の室蘭に初入港 地元の期待高まる
ウインドジャーナル編集部の配信によると、
清水建設が建造した国内最大のSEP船が6月10日、母港の北海道室蘭港に初入港した。 石狩湾新港沖での洋上風車建設工事に向け、地元で製造した架台の据え付けなどを進めている。室蘭の新たなシンボルとして地元の期待が高まっている。
SEP船(自己昇降式作業台船:Self Elevating Platform)とは、プラットフォーム(台船)と昇降用脚をもち、プラットフォームを海面上に上昇させてクレーン、杭打ち等の作業を行う台船。
洋上風力発電設備の建設には、レグ(脚)を海底に下ろして、船体(プラットフォーム)を海面上に持ち上げることで、波浪の影響を直接受けず、比較的気象の荒い海でも建設作業ができるSEP船が必要となる。SEP船は、洋上風力発電設備の設置場所までモノパイルや鋼製タワーを輸送する役割も担っている。
清水建設のSEP船「BLUEWIND」は、広島県呉市のジャパンマリンユナイテッド呉事業所で建造された。
総工費は約500億円。全長142mで、タグボートなどが不要な自航式。全幅50m、総トン数が2万8000トンで、クレーンの最大揚重能力(吊り上げ能力)は2500トン、最高揚重高さは158m。8000kW級の風車であれば7基、1万2000kW級なら3基分の全部材を一度に搭載できる。
大型SEP船「BLUE WIND」は作業能力も高く、予備日をみても8000kW級の場合は7基を10日、1万2000kW級の場合は3基を5日で据え付けられる。船体のジャッキアップ・ダウンが可能で、既存のSEP船に比べ5割程度高い稼働率を発揮できるように設計された。
室蘭市と清水建設は2022年7月、SEP船「BLUE WIND」の母港を室蘭港とする協定書を締結した。期間は今年4月1日から5年間となっているが、両者の合意により延長可能としている。室蘭港は、大型船の入港に必要な水深があり、船を安定して固定する強固な地盤を備えていることが評価された。協定書には「清水建設株式会社は、部材・資機材調達などを通じ、長期的に地域経済への貢献に努める」と記されていて、清水建設の関口猛専務は記者会見で「室蘭市と連携して、地域経済の発展に貢献していきたい」と抱負を述べた。
清水建設のSEP船「BLUEWIND」は、富山県入善町沖で洋上風車の建設工事を終え、6月10日に室蘭港の崎守埠頭に初入港した。20日には室蘭市の青山剛市長や室蘭港湾振興会の栗林和徳会長が船内を視察した。同船は、このあと石狩湾新港沖で洋上風車の建設工事に投入される。船上で風車の部材を載せる鋼鉄製の大型架台は、日本製鋼所M&E室蘭製作所(室蘭市)で製造された。架台を固定する溶接作業は市内の業者が行ったという。
詳細は
清水建設のSEP船、母港の室蘭に初入港 地元の期待高まる|ウインドジャーナル|風力発電のビジネス情報サイト (windjournal.jp)
室蘭は、「鉄と風の街」に生まれ変わろうとしている。
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(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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