新着情報

2024/05/20   コンデンサ国内生産...
2024/05/20   二次電池PSI-R...
2024/05/20   東京製鐵の鉄スクラ...
2024/05/20   フジクラ:社長ミー...
2024/05/20   日本国内光ファイバ...
2024/05/20   国内酸化チタンPS...
2024/05/20   国内伸銅品PSI実...
2024/05/20   アミタHD、インド...
2024/05/20   中国景気刺激策への...
2024/05/20   全固体電池の産業化...
2024/05/20   内モンゴルのリチウ...
2024/05/20   比亜迪(BYD)は...
2024/05/20   第1四半期の世界L...
2024/05/20   雲南省のアルミ企業...
2024/05/20   米国 コバルト過剰...
2024/05/20   DRCコンゴは中国...
2024/05/20   中国のLIB企業は...
2024/05/20   江西省 国内外での...
2024/05/20   週刊バッテリートピ...
2024/05/19   【MIRUウェビナ...

コバルト市場近況2023#8 電池の需要はやや冷え込み気味か

 中国市場ではサマリウムコバルト磁石や合金、超硬合金市場の回復について悲観的な見方が継続する状況となってしまっている。というのも件のサマリウムコバルトに関しては、SmCo 30Hが中国国内ではRMB237-247/kg(USD32.7-34.1/kg)という価格で貼りついたまま2か月が経過している。サプライヤーからの供給が潤沢にある一方で、買い手の需要もそこまで上がらずダブつき続けた結果が長期間の価格停滞を招いていると見られている。

 

 四酸化コバルト 73.5%minの価格は RMB165‑170/kg (USD22.8‑23.4/kg) と前回よりも若干価格が上昇傾向だ。前回のレポート時から長期間、段階的にじわじわとした上昇を見せている事から悲観的な見方には至っていない。

 

 硫酸コバルト 20.5%minについてはRMB40,000-42,000/t (USD5,515-5,719/t)と大きく伸びを見せている。ただしNCMプリカーサの市場からはそこまで引き合いに出されていないという情報が入っている。

肝心のNCM523プリカーサの取引価格はRMB81,000-84,000/t (USD11,169-11,582/t)とこちらも先月比でドル高の傾向を見せてはいるものの、価格自体は1000人民元ベースで上昇しながらも需要が停滞気味との事である。

 

 今回のレポート時点では、中国国内市場において硫酸コバルト 20.5%minが大きな値動きを見せている事から一定の影響を市場に与える見方は強まるだろう。

 

硫酸コバルト(20.5%min China)(RMB/ton) 3ヶ月の値動き

 

NCM523プリカーサ(Delivered China)(RMB/ton) 3ヶ月の値動き

 

 国際市場のコバルトの値動きはそういった好況とはやや無縁のペースで進みつつある。

 

 ヨーロッパのコバルト金属 99.8%minは14.3〜14.5米ドル/ポンドと前回のレポートよりわずかながらの上昇を見せている。

また北米のコバルト金属99.8%minは15.5〜 15.7米ドル/ポンドとこちらも少しばかりの値上がり傾向を迎えている。

価格の乱高下が続いた前回時と比べれば、安定した値動きが続いている事から嵐は過ぎ去ったと見て良いだろう。

 

LMEコバルト(US$/ton) 3ヶ月の値動き

 

LGコバルト(Co 99.3%)($/LB) 3ヶ月の値動き

 

HGコバルト(Co 99.3%)($/LB) 3ヶ月の値動き

 

 今回の市場の状況は中国国内も国際市場も合わせて多かれ少なかれ、好転する値動きとなる事が期待されている。

一方でLCO(コバルト産リチウム)やLNCMO(リチウムニッケルマンガンコバルト酸化物)に関しては中国国内の需要は冷え込み気味であり、SmCoに関しては現状維持という見方が出ている。

正極材や製品レベルにおいて大きな需要が見込まれない状況で、原材料市場の調子の良さがどれだけ市場の悪影響を払底出来るかが注目されている。

 

 

(IRuniverse Ryuji Ichimura)

 

 

関連記事

関連記事をもっと見る