ポニー工業株式会社:非破壊検査と調達の手腕
製品が完成する前には、物によっては傷をつける事なく製品の仕上がりをチェックしなければならない。
一部例外はあるものの製品に対しておおよそ損害を与える事なく、エラーとなる傷や欠陥を検査する手法を非破壊検査と呼ぶ。
今回の記事では非破壊検査機器を取り扱う企業、ポニー工業についてその概観を見ていく事とする。
一を聞いて十を知る必要性
我々の生活を取り巻く様々な商品、あるいは私達が暮らし利用する様々な建物。
こういった製品に対して、その安全性を確認する為に日夜点検や確認作業といったものが行われている。
従来は目視で行われてきた作業が、現在では様々な機器を用いて目に見えない微細な傷なども検査する事が可能となっている。
それが非破壊検査である。
非破壊検査は文字通り、物を傷つける事なく欠陥を検知する事が可能な作業である。
そこで用いられる手法は多岐に渡り、放射線、超音波やレーダー探査など多くの技術で製品を検査する。
また対象となる製品も小さな瓶から建築物などこちらも多種多様であり、それに必要な資機材も様々である。
そしてここで課題となってくるのが、この手の検査装置の調達方法である。
製品に携わる企業はその安全性を検査する事も必要ではあるが、企業のすべてがそれに対して熟達した知識を有しているかと言えばそうではない。
その上建造物、特に工場やプラントといった建物では構造上配管等が敷き詰められる様な設計となっており目視確認が困難な状況も発生する。
建築時はもちろん、引き渡し後の維持管理も行いやすいシステムづくりについて事業者だけで解決を図れるかという問いが横たわる事になる。
そういった日常時の検査や計測といった事に対するニーズに応えるのが、ポニー工業株式会社である。
総合商社的立ち位置だから出来る事
ポニー工業株式会社は大阪府大阪市に本社を置く企業である。
創業は1965年と既に半世紀が経過しており、CMで見たことある方も多い非破壊検査株式会社のグループ会社である。
そんな同社は大小様々な非破壊検査機器を取り扱っており、また機器の開発から製造・エンジニアリングを行っている非破壊検査の総合企業である。
(株式会社エビデント製 ハンドヘルド型蛍光X線分析計 VANTA)
同社の取り扱う機器は先述した非破壊検査に対して行われる手法を網羅しており、その中でもX線検査機器を中心に製品のバリエーションを拡充させているという。
そして同社の特徴として、国内外の様々な機器メーカーの製品も自社で取り扱っている事が挙げられる。
先に記載した通りプラントなどの大規模建築物での非破壊検査ともなれば、当然ながら専門性の高い企業でなければメンテナンスの知見を持つ事は難しい。
また知見があったとしても、今度は必要な機器を迅速に揃えて実際に検査を行うという工程が必要になる。
そういった時にポニー工業株式会社の取り扱う製品ラインナップは十全にそれに応えてくれるだけの種類と数を揃えているのだ。
もちろん同社の取り扱う検査機器は大規模建築物向けのものだけではない。
X線による検査機器としては薬剤検査装置であったり、あるいは製造ライン向けの超音波センサーといった物も取り扱っている。
変わり種であり最近大きく需要が増しているものではセキュリティゲートといったものも挙げられる。
これはキャスター付きの台車で移動させられる40kgという重量ながら、5分で設置・組み立てが終わり40時間は稼働する。
その上「積み上げて稼働させる」設計の為、一部のブロックが破損をしてもそこを交換するだけで問題なく再稼働する現場に優しい設計となっている。
携行可能なX線発生装置や高出力なLEDブラックライト、工業用のシャウカステンにサーベイメーター、果ては自然きず入り溶接欠陥試験片といった他の取扱製品に関してもその種類やバラエティに富んだ品揃えは他社の追随を早々許すものではないラインナップだ。
こういった機器を組み合わせて、検査の提案をするだけの知見と技術の高さこそ同社の強みと言えるだろう。
検査・計測するという事に対して妥協を許さない製品群で勝負をするポニー工業株式会社。同社の技術力が製品生産にもたらす影響力は、見えないながらも大きなものとなっている。
(IRuniverse Ryuji Ichimura)
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