日本とサウジ、重要資源の探査でも協力へ 外務省発表
外務省は7月16日、ホームページ上で、中東を歴訪した岸田文雄首相の訪問成果の概要を発表した。このうちサウジアラビアでは「岸田首相が重要鉱物の探査や精製、太陽光発電の整備、水素・アンモニアの製造・利用、e-fuel の活用といった分野で連携を多面的に進めていきたいと求め、サウジのムハンマド皇太子の賛同を得た」と発表した。
サウジを訪問する岸田首相
(外務省ホームページより)
■サウジ、2060年までの温暖化排出ガスゼロ目指す
日本側はサウジに対し、「国際原油市場の安定や石油・ガス、さらに、クリーンエネルギー等の様々な分野で協力を一層進展させていきたい」と述べ、サウジ側からの賛同を得た。サウジ側からは「消費国と産油国の双方の利益になるように努めていきたい」との話があり、両国はサウジが提案したクリーンエネルギーを巡る2国間の協力枠組を進めていくことで合意した。
サウジは2060年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げ、石油主体の経済構造からの脱却も目指している。日本としてはサウジの持つ豊富な資源に日本の技術を掛け合わせ、同国の脱炭素の動きを後押ししたい考えだ。
■48種の鉱物資源、近年になり開発に注力
エネルギー・金蔵鉱物資源情報(JOGMEC)によると、サウジアラビアには48以上の鉱物資源が存在し、少なくとも15の鉱物資源は商業的に取り扱える可能性があるとされる。リン酸とタンタルについては、世界最大級の埋蔵量があり、国の中央部と北部には、銀、亜鉛、銅、マグネサイト、カオリンの鉱床に加え、大量のボーキサイトが存在している。
同国は2019年に産業鉱物資源省を創設し、2023年1月に2回目となる「鉱物資源未来フォーラム(FMF)」を首都リヤドで開催した。2024年1月には3回目のフォーラムを予定するなど、鉱物開発に注力しつつある。
なお、岸田首相は7月17日にアラブ首長国連邦(UAE)、同18日にカタールをそれぞれ訪問。UAEとは気候変動に関する共同声明を発表した。また、カタールではLNGインフラの整備と資金提供で日本が果たしている役割についての説明を行った。
(IR Universe Kure)
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