世界最大の中古自動車パーツ市場シャルジャ(ドバイ)訪問記
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10月25日、ドバイは最高気温40度に達したが、現地の方によると「7月に比べると涼しい」と平気な顔だったが、7月は50度まで達したとのこと。そんな高温日和、BIRアブダビ大会が終わった翌日、アブダビから180km離れたドバイはシャルジャ地区の自動車中古パーツ市場を訪問した。シャルジャには7000ともいわれるほど中古パーツ業者が存在するとのことだが、そのなかに日本の会宝産業(金沢)が展開しているヤードがある。そこで責任者の畳谷直規氏とお会いした。ちなみに、ここシャルジャには数年前までエンビプロHDグループの3WMがヤードを開いていたが、数か月前に輸出事業は撤退。一部の駐在員の方はサイテラスという輸出代行の物流会社に行かれたと聞く。
(会宝産業の畳谷氏はシャルジャに住んで6年 お子様も近くの小学校に通わせているとのこと)
(訪問一行 左から多屋氏、畳谷氏、MSP吉田氏、筆者の棚町)
いささか古いJETROの資料ではあるが、UAEにおける中古のガソリンエンジン及びディーゼルエンジンの乗用車(以下、中古車)の輸入額は2016年に約117億ドルとなっており、ピーク時の2014年の約160億ドルからは減少傾向にある。しかし、輸入額の総額に占める日本からの輸入額の割合は2016年には44%となっており、中古車輸入の大部分が日本からの輸入であることが伺える。
UAEをはじめ中東・アフリカ地域においては日本車の人気が非常に高く、トヨタのランドクルーザーやプラド、日産のパトロールといったSUVモデルが特に人気がある。UAEの大手中古車販売サイトのCarSwitch.comが発表している中古車の販売ブランド人気ランキングにおいても、トヨタ及び日産がそれぞれ1位、2位にランク付けされている。という状況は現在も同じ。同行していた伸生スクラップ(大阪)の多屋氏によると「日産のパトロールは日本では売っていないがここ(ドバイ)ではかなりな人気。それでもトヨタのランクルが不動の一位だろう」と話されていた。多屋氏によると、シャルジャは30年前から世界の中古車および中古パーツ市場として成立しており、良くも悪くもシャルジャの街並みも変わっていない、と語っていた。
UAEにはフリーゾーンが多数存在しているものの、その中でもドバイ政府は、中古車輸入ならびに再輸出のための専門エリアとして「Dubai Auto Zone (DAZ:旧称DUCAMZ / Dubai Cars and Automotive Zone)」を設立しており、ここに数多くの中古車ディーラーが集積している。およそ300社。日本からUAEに輸入される中古車のほとんどは、いったんドバイのDAZに持ち込まれ、そこから海外(左側通行右ハンドルが主流のタンザニア、ケニア、ウガンダ、アフガニスタン、パキスタン等)へと輸出されている。
シャルジャは前述したように中古パーツの一大メッカ。
中古車部品市場の世界最大といわれるインダストリアルエリアには7000ともいわれる小さなパーツショップから重機を扱う店まで、ちょっと異次元の市場がそのまま町になっている。
会宝産業のヤードではエンジン、車体を半分に切ったフロント、などが所狭しと置かれており、常にバイヤーが現場を見回っていた。そこで買値が決まるという、まるで魚のセリ、のようである。オークションも常時行われているようで担当の畳谷氏も忙しい。
ハイブリッド車のパーツもたまに入ってくるが、ほとんどがガソリンエンジン車のパーツ。
畳谷氏によると
「うちでは毎月、40フィートのコンテナで5本程度を販売しており(主にアフリカ)、エンジンは400個ほど販売している」とのこと。
会宝産業のヤードを出たあと、シャルジャのインダストリアルエリアを回ったあとに畳谷氏に推薦された日本の博多ラーメン店「一幸舎」にて昼食。シャルジャでも変わらぬ味。しかしお値段は日本円で1600円ほどとややお高い。シャルジャではラーメンは高級?とされているのかもしれない。
(IRUNIVERSE Tanamachi)
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