「銅とダイヤモンド」は銅の勝ち リオ・ティント、カナダで事業整理
英豪資源大手のリオ・ティントがカナダで動きを見せている。出資していたダイヤモンド採掘会社の持ち分を合弁相手に売却することが分かった。一方で、同じくカナダでの銅採掘の合弁事業は、出資比率を引き上げる。少なくとも同社においては、「灰とダイヤモンド」ならぬ「銅とダイヤモンド」は銅に軍配があがったようだ。
■ダイヤモンドは合弁相手に譲渡
カナダのダイヤモンド採掘企業であるスター・ダイヤモンドは11月29日、自社ホームページ上で、同社がカナダ・サスカチュワン州で手掛けるダイヤモンド採掘事業を巡り、「出資しているリオ・ティントのカナダ子会社が保有分である権益75%をすべてスターに譲渡する」と発表した。これにより、スターがこの採掘事業の権益100%を保有する。リオ・ティントは現場の採掘工具などもスターに譲渡。代わりに、スターは同社自体の新株を発行してリオ・ティントに割り当て、リオ・ティントはスターの発行済み株式の19.9%を保有する。
■銅とリチウムは比重増加へ
一方、同じカナダの銅採掘企業であるウエスタン・コッパー・アンド・ゴールドは11月28日、自社ホームページ上で、「筆頭株主であるリオ・ティントのカナダ子会社との間で、リオ・ティント側による持ち株比率引き上げについて合意した」と発表した。リオ・ティントはウエスタン株約340万株を一株当たり1.73カナダドルで引き受け、ウエスタンの発行済み株式の持ち株比率をこれまでの7.8%から9.7%に引き上げる。リオ・ティント側の今回の追加出資額は600万カナダドル。
ウエスタンはバンクーバーに本拠を置き、トロント株式市場に上場する同国の採掘大手。カナダ北西部のユーコン準州の火事の鉱山で銅を採掘する。三菱マテリアルも同社株の5%を保有し第3位株主となっている。
カナダメディアのCanadian miningは11月29日、リオ・ティントの経営陣が「銅とリチウムの(事業における)比重を増やす方針だ」と語ったと伝えた。
(IR Universe Kure)
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