11月のアルミ概況および12月の見通し 橋本アルミ(株)橋本健一郎
予測レンジ
LME 現物後場買い2100-2200ドル ↓
スクラップ +5~10円(前月最終価格より) ↑
為替 145-150円 (一か月間TTM) レンジ内
■国際概況
前半 予想以下の10月米雇用統計を受けて利上げ停止の見方が強まったこと、米FOMCで政策金利を据え置き 2会合連続で追加利上げを見送ったなどのプラス材料もあったが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が国際通貨基金(IMF)のイベントで追加利上げに言及したこと嫌気しDOWN
11月15日時点で2194ドル(セツル)と月初価格から53ドルDOWNの前半締めとなった。
後半は10月の米消費者物価指数(CPI)に続き、インフレの鈍化が鮮明。FRBの利上げ終了観測を受けたなどのプラス材料もあったが10月の米新築住宅販売の減少を受けて中国経済に続いて米経済に対する警戒感が強まったためDOWN
月末日 後半スタート価格27ドルDOWNの2252ドル
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
152.47 → 148.07(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比+19%の77万9814台
輸出は前年同月比+25%の38万2897台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19%の25万5054台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 71,769 戸。
・前年同月比 6.3%減, 5か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,451千㎡。
・前年同月比 9.6%減, 9か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 808千戸。
・前月比 1.0%増, 先月の減少から再びの増加
出典 国土交通省統計
◆ 貿易指標
【輸出】
【輸出】
新地金 -306%の414t
二次合金 -57.1%の671t
スクラップ +13.2%の3万8580t
アルミ缶 -26.5% 5202t
輸出推移
出典 財務省貿易統計
【輸入】
新地金 -15.5% 8万6648t
二次合金 +21.3%の10万8042t
スクラップ -25.3%の610t
合金スクラップ +14.4%の6353t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.8% 15万1570t 19カ月連続マイナス
出典 日本アルミニウム協会
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +3.3% 6万8113t 2カ月ぶりプラス
出荷 +2.3% 6万8166t 2か月ぶりプラス
出典 日本アルミニウム合金協会
■国内概況まとめ
【自動車生産】
生産動態統計によると10月の自動車生産台数は前年比+19%の77万9814台
輸出は前年同月比+25%の38万2897台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると11月の自動車販売台数(軽除く)は前年比+19%の25万5054台
【住宅着工戸数】
10月の新設住宅着工は,持家,貸家及び分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比6.3%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比1.0%の増加となった。
○新設住宅着工戸数は 71,769 戸。
・前年同月比 6.3%減, 5か月連続の減少。
○新設住宅着工床面積は 5,451千㎡。
・前年同月比 9.6%減, 9か月連続の減少。
○季節調整済年率換算値では 808千戸。
・前月比 1.0%増, 先月の減少から再びの増加
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.8% 15万1570t 19カ月連続マイナス
板 類 9万3799t -2.4% 18か月連続マイナス
押出類 5万7771t -0.9% 22か月連続マイナス
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +3.3% 6万8113t 2カ月ぶりプラス
出荷 +2.3% 6万8166t 2か月ぶりプラス
【輸出】
新地金 -306%の414t
二次合金 -57.1%の671t
スクラップ +13.2%の3万8580t
アルミ缶 -26.5% 5202t
【輸入】
新地金 -15.5% 8万6648t
二次合金 +21.3%の10万8042t
スクラップ -25.3%の610t
合金スクラップ +14.4%の6353t
【見通し】
【自動車】
10月の自動車生産が+19%。11月国内販売台数が前年比+19%
10か月連続 生産,販売 共に回復の兆しあり今後に期待
【アルミ圧延・押出品生産数】
日本アルミニウム協会発表の圧延品の生産出荷動向によれば板類・押出生産合計は前年比 -1.8% 15万1570t 19カ月連続マイナス
前月に続き中国景気後退によるスマホ需要の低迷からから来月も期待薄
【アルミニウム2次合金 同合金地金等生産実績】
前年比 +3.3% 6万8113t 2カ月ぶりプラス
出荷 +2.3% 6万8166t 2か月ぶりプラス
日本の自動車生産販売は堅調な中 先月5カ月ぶりに減少したが今月は増加 今後に注視
【スクラップ景況予想】
流通(一次問屋)在庫は前月に続きLME価格が2200ドル近辺とレンジ内傾向だった。ただ二酸化炭素削減に向けたリサイクル原料特需による中国筋の高買いにより在庫薄
需要面に関して
先月同様日本の自動車生産販売が堅調なこと、円安から輸入物が高くなってることから需要が引き締まっている。 LME価格の上昇による中国筋の高買も
【LME・為替予想】
今月は以下の項目に左右される
- 米FRBの金融政策
FRBの利上げ局面は終了したとの観測が強まっている。インフレ鈍化を映す統計が目立つほか、11月末のパウエルFRB議長の発言も市場の想定ほど金融引き締めに積極的な内容ではなかったことから むしろ来年は利下げ期待が台頭。
- 中国の景気対策
経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団に対する清算の申し立てについての審理を開き、判断を来年1月29日に延期した。恒大が示した新たな債務再編案についての検討や協議に時間を要するとしたことから年内は持ちこたえるのではないか
これらを踏まえた今月のアルミ価格は 2100―2200ドル(セツル)との予想。
ドル円値は145円~150円(TTM)台を予測。
スクラップ購買価格に関しては +5~10円程度と予想している。
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