「電線需要は落ち込んでいるが、GX、CASE関連での需要増に期待」―2024年 電線関連団体賀詞交歓会
日本電線工業会など電線関連6団体は5日、4年ぶりに都内のホテルで「2024年 電線関連団体賀詞交歓会」を開催した。挨拶に立った同協会の伊藤雅彦会長(フジクラ取締役会長)は、投資の抑制、人口減などの構造的な問題から「国内の電線需要は、10年前に約70万トンまで下がり、23年度は63万トンとなっており更に一割低下している」と述べながらも、新たな需要増に期待を示した。
伊藤会長
伊藤会長は冒頭でまず、年初に発生した能登半島地震を巡る被災者へのお見舞いの言葉とともに、早期復興への期待を表明した。
新たな需要増については、GX関連での再生可能エネルギーやCASE時代に伴った新たなワイヤーハーネス関連からの引き合いなどにより「(電線は)成長産業とは言えないが、成熟期ながらでも横ばいの需要を保つチャンスがあると言える」とした。電線産業における人材不足を解決するため「11月18日(様々な電線を表す(111)と、あらゆるものにつながる無限大(8)を意味する)を電線の日と定め世の中に周知していきたい。その中で電線アンバサダーに文筆家である石山蓮華氏を起用し、様々なメディアを通じ、電線産業の面白さを展開している」と日本電線工業会としての近年の取り組みについても言及した。
来賓として挨拶に立った経済産業省製造産業局の伊吹英明局長は、「中国の景気は良くないため(電線の)輸出は良くないが、全体としての需要は緩やかに回復していると思う」と述べた。GX関連では「海底ケーブルなどは世界でも戦っていける技術であり、それらがいま世の中に出ているタイミング」と言及し、また「能登半島地震地域の復旧・復興は、電力、通信が回復しないと成立しない」とした上で、震災からの復興に電線業界の協力を求めた。
伊吹局長
(IRuniverse G・Mochizuki)
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