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黒鉛供給網、世界で再構築進む 韓国ポスコ系が豪企業からアフリカ産を調達へ 中国規制で

 オーストラリア採掘大手のシラー・リソーシズは3月1日、自社ホームページ上で、「韓国二次電池材料のポスコ・フューチャー・エム(Posco Future M)へのグラファイト(黒鉛)供給の長期契約を締結した」と発表した。中国が2023年12月に黒鉛の輸出規制を強化してから3か月、世界で新たな供給網(サプライチェーン)構築の動きが本格化してきた。

 

■モザンビーク産黒鉛を最大で年間6万トン

 

 

 供給対象となるのは、シラーがアフリカのモザンビークで採掘する黒鉛で、6年間の長期契約となる。開始時期はポスコ側が決め、2025年末までにシラーに通知する。シラーはポスコに対し、開始から1年目は1か月あたり2000トン(年間2万4000トン)、2年目からは1か月あたり2000~5000トン(年間6万トン)を供給し、価格は市場価格を考慮した上で、四半期ごとに両社で交渉して決める。

 ポスコ・フューチャー・エムは旧社名ポストケミカル。ポスコのグループ会社として二次電池原料である正極材と負極材を同時生産する。

 

プレスリリース(英語):Supplying critical graphite and anode products (syrahresources.com.au)

 

■黒鉛価格は中国規制後もさえない

 中国は2023年12月1日から黒鉛の一部製品について輸出を許可制にした。黒鉛は半導体材料の1つであるため、当初は同年夏のガリウムやゲルマニウムのように先行きの品薄を警戒した価格急騰が警戒された。しかし、現在までのところ、黒鉛価格は軟調だ。

 miruのデータによると、球状黒鉛の価格は3月4日に高値で1万2300元/mtと、規制発表の2023年10月20日前の水準(1万3300元/mt)を下回っている。規制開始後の3か月間の仲値平均価格は1万2471元。2月の平均価格は1年前に比べると4割強安い水準にある。

 

過去6か月間の球状黒鉛価格の推移(99.95%min 17um max in China)(RMB/ton)

 

 ほかの形状でも黒鉛価格は総じてさえない。金属価格サイトのAsian Metalのデータでは、バッテリー材料として多く用いられる鱗片状黒鉛の国際価格は3月40日に高値$575/mtと、やはり規制発表前($650)を下回った。土状黒鉛は3月4日に高値2690元/mtで、発表前(2550元)からは5.5%高い水準にある。2023年末には一時、2700元台に乗せたものの足取りは重い。

 

■中国外からの調達が活発化

 中国の措置を背景に、世界の企業は中国以外からの黒鉛調達を進める。パナソニック・エナジーは2月15日、カナダの負極材メーカーであるヌーボー・モンド・グラファイト(Nouveau Monde Graphite、NMG)との黒鉛調達契約を発表した。同社はその前週には豪ノボニックスと人造黒鉛の供給で合意したと発表していた。

 

関連記事: パナエナジー、カナダNMGから黒鉛調達へ GMも出資、EV電池負極材向け | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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