大陽日酸 アンモニアから燃料電池自動車(FCV)用水素製造の実証試験に成功
2024/04/16 14:21 FREE
日本酸素ホールディングスグループの日本産業ガス事業会社である大陽日酸株式会社(本社:東京都品川区 代表取締役社長:永田 研二)は、2024年4月15日、アンモニアから燃料電池自動車(FCV)の水素燃料に求められる品質仕様(ISO 14687:2019 Grade D)を満たす水素の製造実証に成功したと発表した。
開発経緯と今後の取り組み
政府は 2050 年のカーボンニュートラルの実現に向け水素等※1の供給・利用の拡大を図る中、同社も環境貢献製商品による GHG 削減を目標に掲げ開発に取り組んでいる。同社は 2014 年から 2018 年にかけて、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「エネルギーキャリア」の委託研究課題「アンモニア水素ステーション基盤技術」に参画し、窒素 25%、メタン 0.1%および水素 74.9%の混合ガスから窒素 100ppm 未満、メタン 1ppm 未満の水素ガスを精製できる技術を確立した。
SIP の取り組みでは、アンモニア分解ガスを模擬した不純物成分の少ない混合ガスを使用していたが、これらの水素ガス精製の知見を基に、今回アンモニア分解炉と同社が開発した水素精製装置を組み合わせた水素製造試験により、製品水素が燃料電池自動車(FCV)用水素燃料に要求される規格(ISO 14687:2019 Grade D)を満たすことが実証でき、アンモニアから水素を製造する装置開発に目途が付いた。今後はアンモニアから水素ガスを製造する装置の商品化を進めるという。
※水素に加え、その化合物であるアンモニア、合成メタン、合成燃料を指す
(IR universe rr)
関連記事
- 2025/03/27 JAL他 国内森林資源活用のSAF等製造事業商用化へ向け検討の覚書締結
- 2025/03/27 IARC2025:「仏ルノーのサーキュラーエコノミー戦略最新情報は?」
- 2025/03/27 IARC2025:「フランスにおける自動車の生産者責任組織とは?」
- 2025/03/27 原油価格の動向(3/26)
- 2025/03/27 環境省 プラ・金属資源等の脱炭素化高度化設備導入で令和6年度補正予算一次公募
- 2025/03/26 IARC2025: 「ELV規則で義務付けられるサーキュラー・ヴィークル・パスポートとは?」
- 2025/03/25 太陽誘電 4月よりインドの販売拠点稼働開始
- 2025/03/25 中国で新たに発見されたトリウム鉱は、100万トンレベルが確定され、1万年のエネルギー量と試算
- 2025/03/25 IARC2025: 「ELV規則案、欧州委員会からの報告」
- 2025/03/24 リバー、自社事業所に使用済み太陽光パネル利用の発電システム導入