触媒資源化協会 2023年資源化実績報告 廃触媒からの回収金額は38%減、触媒以外は7%増
触媒資源化協会(http://www.jscra.jp/)が3月末に発表した2023年資源化実績(23年1~12月)によると、会員各社(36社)による使用済み触媒、電子部材、E-Scrap、歯科合金などからの貴金属、レアメタルの資源化金額(総合)は6902億円で前年比7.1%減となった。うち触媒からの回収は1486億円、触媒以外からが5416億円。
協会では、23年の資源化実績について、貴金属全般ではパラジウムやロジウムの資源価格の低下に呼応する形にて取引総額としては前年を下回り、コバルトやニッケルにおいては資源化数量の減少が見られる、と分析している。触媒資源化協会のデータは微細に分析がなされており、日本のレアメタルリサイクルを客観的にみるうえできわめて貴重なデータになっている。ゆえに、こうした資源化データを提供できる大手企業の参加が増えていくことが望ましい。重要な企業のデータが追加されれば、協会のリサイクルデータはさらに重要性を増してくることは論を待たない。
(各メタルの資源化実績推移)
貴金属系については金と銀は価格、数量とも上昇、増加。PGMは価格、数量ともに下落、減少となった。金銀は今年に入ってさらに相場上昇しているゆえ、またPGMも反転しているゆえ、今年24年の資源化実績は金額ベースでは上昇していくことは間違いない。
ニッケル、コバルトも価格、数量ともに下落&減少。
一方、モリブデン、バナジウム、タングステンは価格上昇、数量もタングステン除いて増加、となっている。
触媒からの回収金額は1486億5千万円で前年比38.3%減、触媒以外からは5416億1千万円で同比7.9%増となった。これはやはり金銀の多く含まれる電子部材、E-Scrapの回収が増えていることと、金銀価格の上昇が奏功した。
(IRUNIVERSE/MIRU)
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