2024年4月(速報)、2023年度及び3月実績 鉄鋼生産概況
2024年5月22日、(一社)日本鉄鋼連盟が2024年4月の鉄鋼生産概況(速報)及び2024年3月実績を発表した。
2024年4月の粗鋼生産は705.5万トンと3月実績(719.6万トン)比2.0 %減、前年同月(748.6万トン)比でも2.5 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少となる見通し。
4月の1日当たりの粗鋼生産量見通しは23.5万トンとなり、3月の23.2万トン比では1.3 %増。
2024年3月の粗鋼生産は719.6万トンと2月実績(699.2万トン)比2.9 %増、前年同月(748.6万トン)比では3.9 %減となり、前年同月比では4か月ぶりの減少となった。
3月の1日当たりの粗鋼生産量は23.2万トンとなり、2月の24.1万トン比では3.7 %減となる。
2023暦年国内粗鋼生産量は8,700.1万トンとなり、2022暦年粗鋼生産量(8,922.7万トン)比2.5 %減。2年連続で9,000万トン割れとなった。
2023年度の国内粗鋼生産量も、前年度(8,783.7万トン)比1.2 %減の8,682.8万トンと、2年連続で前年度実績を下回る結果となった。鋼材需要が内外で伸び悩んだ影響を受けたとされている。鉄鋼連盟では24年度についても、23年度並みに留まるとみている。
経済産業省発表の2024年4月~6月期粗鋼需要見通しは、2,172万トン[前年同期(2,221.4万トン)比2.2%減]となっている。
表1 に2021年度~2023年度の鉄鋼生産高を示す。2021年度比及び2022年度比ともに、下回った(鉄鋼連盟発表 2024年4.22時点)。
表1 2021年度~2023年度の鉄鋼生産高
表2に全国鉄鋼生産高 2024年4月(速報)及び2024年3月実績(確定)を示す。
表2 全国鉄鋼生産高 2024年4月(速報)2024年3月実績(確定)
2024年3月実績(確定):前月速報値から修正(黄色マーカー部)
≪全国鉄鋼生産高 2024年4月(速報)≫
○ 銑鉄生産は503.2万トンと前月(503.8万トン)比0.1 %減、前年同月比でも3.1 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少の見通しとなった。
○ 粗鋼生産は705.5万トンと前月(719.6万トン)比2.0 %減、前年同月比2.5 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少の見通し。4月の1日当たり粗鋼生産は23.5万トンで、3月の同23.2万トン比1.3 %増の見通し。
○ 炉別生産では、転炉鋼が511.9万トンと前月(514.4万トン)比0.5 %減、前年同月比2.9 %減、電炉鋼が193.5万トンと前月(205.2万トン)比5.7 %減、前年同月比1.4 %減となり、前年同月比では転炉鋼は2か月連続、電炉鋼は6か月ぶりの減少の見通し。
○ 鋼種別生産では、普通鋼が555.4万トンと前月(562.6万トン)比1.3 %減、前年同月比2.3 %減、特殊鋼が150.1万トンと前月(157.1万トン)比4.5 %減、前年同月比3.3 %減となり、前年同月比では普通鋼は2か月連続の減少、特殊鋼も2か月ぶりの減少の見通し。
○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は597.2万トンと前月(652.3万トン)比8.4 %減、前年同月比4.8 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少の見通し。
○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は479.1万トンと前月(523.8万トン)比8.5 %減、前年同月比5.1 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少の見通し
○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は118.0万トンと前月(128.5万トン)比8.1 %減、前年同月比3.5 %減となり、前年同月比では2か月連続で減少の見通し。
≪全国鉄鋼生産高 2024年3月(実績)≫
○銑鉄生産は503.8万トンと前月(501.0万トン)比1.0 %増、前年同月(536.1万トン)比では6.0 %減となり、前年同月比では4か月ぶりに減少した。
○ 粗鋼生産は719.6万トンと前月(699.2万トン)比3.0 %増、前年同月(748.8万トン)比3.9 %減となり、前年同月比では4か月ぶりの減少。
3月の1日当たり粗鋼生産は23.2万トンで、2月の同24.1万トン比3.7 %減となった。
○ 炉別生産では、転炉鋼が514.4万トンと前月(512.3万トン)比0.4 %増、前年同月(552.9万トン)比7.0 %減、電炉鋼が205.2万トと前月(186.9万トン)比9.8 %増、前年同月(195.9万トン)比4.8 %増となり、前年同月比では転炉鋼は2か月ぶりの減少、電炉鋼は5か月連続の増加となった。
○ 鋼種別生産では、普通鋼が562.6万トンと前月(546.9万トン)比2.9 %増、前年同月(591.0万トン)比4.8 %減、特殊鋼が157.1万トンと前月(152.3万トン)比3.1 %増、前年同月(157.8万トン)比0.4 %減となり、前年同月比では普通鋼は2か月ぶりの減少、特殊鋼は3か月ぶりの減少となった。
○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は652.3万トンと前月(611.6)比6.6 %増、前年同月(687.4万トン)比5.1 %減となり、前年同月比では3か月ぶりに減少した。
○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は523.8万トンと前月(485.7万トン)比7.8 %増、前年同月(553.6万トン)比5.4 %減となり、前年同月比では4か月ぶりに減少した。
○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は128.5万トンと前月(126万トン)比2.0 %増、前年同月(133.8万トン)比3.9 %減となり、前年同月比では3か月ぶりに減少した。
≪全国鉄鋼生産高 2023年第4四半期確定≫
2023年第4四半期(1-3月期)粗鋼生産実績は、前年同期(2,162.5万トン)比0.8 %減の2,145.2万トンとなった。
《その他普通鋼鋼材生産情報》
・普通鋼最終鋼材生産(確定):3 月の普通鋼鋼材生産は、前年同月(544.6万トン)比 5.3 %減の516.8万トンと、4か月ぶりに減少した。
・出荷:3月の普通鋼鋼材国内向け出荷(確定)は、前年同月(352.4万トン)比 9.1 %減の320.2万トンと3か月連続の減少となった。輸出向け出荷は前年同月(209.5万トン)
比 2.6 %減の204.0万トンと2か月連続で減少した。
・在庫:3 月末の普通鋼鋼材国内向け在庫(確定)は、前月末比115万トン増の653.3万トンと3か月連続で増加した。
(IRUNIVERSE tetsukoFY)
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