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大栄環境(9336)24/3期WEB説明会 ややポジティブ継続

25/3期7.5%増収4.0%営利増で中計大幅クリア期待、26/3期以降も最高収益拡大期待

株価2513円(6/4) 時価総額2510億円    発行済株99892千株      

PER(25/3期DO予:14.8X)PBR(2.85X) 配当25/3DO予44円   配当利回り:1.8%

 

要約

・24/3期関西・中部地方のインフラ案件等が寄与し7.9%増収18.6%営利増と最高益着地

・25/3期関西・中部地方のインフラ案件等継続し6.8%増収18.3%営利増予想と再増額修正

・中計大幅クリアし100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」

 

24/3期関西・中部地方のインフラ案件等が寄与し7.9%増収18.6%営利増と最高益着地

 

 1972年創業の一般・産業廃棄物の収集運搬、処理、リサイクル大手で最終処分場の保有で強味持つ。積極的なM&A等も実施、関西から全国へ事業展開を加速させている。

 

 

 24/3期WEB説明会が5/20に開催された。24/3期は売上高730.35億円(期初計画比19.98億円増額、2/9増額修正予想比0.47億円増額、同期比7.9%増)、営業利益197.14億円(同35.74億円増額、同0.47億円増額、18.6%増)、経常利益205.89億円(同42.51億円増額、同0.94億円増額、23.3%増)と順調に収益拡大が継続、最高収益更新となった。

 

 事業別に環境関連事業が売上高710.32億円(同39.12億円増額、同6.76億円増額、8.5%%増)、営利201.09億円(同38.49億円増額、同2.58億円増額、23.7%増)。主力事業の廃棄物資源循環が売上高631.08億円(同30.69億円増額、同2.69億円増額、11.7%増)と、関西、中部地区のインフラ開発案件に伴う廃棄物処理需要を獲得、三木バイオマスファクトリー稼働開始もあり廃棄物受入が2207千トン(16.6%増)となったことが大きい。一方、土壌汚染関連は売上高46.99億円(同7.29億円増額、同1.16億円未達、21.3%減)となった。最終処分場での受入汚染土壌の受注単価見直しに伴い、受入量の抑制を継続、汚染土壌受入量は406千トン(27.1%減)となったことが大きい。但し、高単価の受入シフトで収益性を高める状況に。四半期推移でも関西、中部地区の受注が継続、産業廃棄物処理ではゼネコンからの需要が35%程度と従来よりも高まっている。

 

 その他環境関連事業は売上高32.25億円(同1.26億円増額、同5.24億円増額、7.1%増)と三木バイオマスファクトリーの本格稼働で売電量など大幅増などが寄与した。利益面では増収効果、高採算の大型案件寄与、加えて単価見直しなどが寄与、営業利益率が2.8ポイントアップし28.3%まで高まり増益幅が広がった。その他有価資源リサイクル事業では売上高19.96億円(同0.38億円増額、同0.71億円増額、8.6%減)、営業損失2.38億円(同3.81億円未達、同2.11億円赤字拡大、3.72億円悪化し赤字転落)となった。アルミペレットは売上高14.63億円(1.11億円増額、同0.71億円増額、8.6%減)と、販売数量は7.0%増もアルミ市況が悪化し減収に。リサイクルプラスチックパレットは売上高5.33億円(同0.73億円未達、同計画通り、5.0%減)と販売量が減少も販売価格の是正で売上減1ケタに。なおスポーツ地域振興事業は3月寄与のみで売上計上が3月の会費等0.06億円に止まる。利益面では減収影響に加え、スポーツ地域振興事業暖簾一括償却(3.60億円)で赤字に。

 

 全体での営業利益の増減要因では増収効果で53.77億円の寄与、これに対し減価償却費・暖簾償却費影響9.24億円、人件費増、エネルギーコスト増などが減益要因に。

 

25/3期も廃棄物受入量拡大、プラスチック再生商品化等で7.5%増収4.4%営利増予想

 

 25/3期会社予想は売上高785億円(7.5%増)、営利205億円(4.4%増)経常利益207億円(0.9%増)予想と緩やかな収益拡大を見込む。セグメント別では環境関連事業が759億円(6.9%増)、営利208億円(3.7%増)予想。大阪・関西万博やインフラ案件の大型開発工事の継続等で廃棄物受入増加が堅調に推移、加えて共同土木と栄和リサイクルのシナジー効果で関東エリアでの受入増で受入量を225万トン(2.3%増)と見込む。土壌浄化は売上高46億円(1.1%減)と、廃棄物受入量の拡大に伴い最終処分場の受入を抑制、売上横ばいを計画。その他環境事業は46億円(45.6%増)と、子会社化した栄和リサイクルの取込みが寄与する模様。ちなみに23/9期決算では売上高33.16億円、営利4.28億円計上。その他事業は売上高25億円(27.9%増)、営業損失1.0億円(1.38億円改善し赤字縮小)予想。有価資源リサイクルは横ばい、スポーツ振興事業を3億円新規に見込み、利益は一括償却が無くなる分の寄与。

 

 

 営利の増減要因では増収効果で54億円プラス、人件費、エネルギーコスト高、加えて栄和リサイクルの外注費等の増加28億円が影響、微増収に止まる見通しとした。栄和リサイクルと共同土木のシナジー効果が利益貢献するのは26/3期以降となる見通しで、先行投資負担と認識している模様。

 

 

 業績予想については廃棄物受入前提が24/3期の16.6%増から大きく低下し2.3%増に止まる見通しとしている。しかし四半期推移を見ても堅調な推移を続けており、24/3期期初予想で5.2%増予想が結果は16.6%増となっているなど、25/3期想定も控え目とみられる。加えて関西・中京に加え、関東での勢力拡大を考慮すると、廃棄物受入量の増額が期待され、売上の増額が期待される。

 

 利益面でも外注加工費増が負担増となっているが、受入増は従来エリアでの増額が主となるとみられ、利益面でも増額が見込まれ、売上の伸び率に近い伸びが期待できる。 

 

中計大幅クリアし100年企業に向け「事業の永続性を高め環境創造企業として進化する」

 

 同社は中期経営計画として22/3期~25/3期の平均成長率5~6%、最終年度の25/3期に売上高営業利益率20%以上(M&A,廃棄物処理受託価格の変動を加味しない)を目指してきた。現状、売上の平均伸び率は7.5%、営業利益率は初年度こそ19.8%も、その後は大きく上回っている。

 

 

 同社は100年企業に向け、次世代に求められる新たな価値を社会に届ける環境創造企業への進化実行を標榜している。この実現に向け、既存事業拡大、公民連携拡大、事業エリア拡大のため、M&A、カーボンニュートラルに向けた新事業取込みなどを実行している。

 

   

  

 

 株価は25/3期予想EPS138.14円に対し、PER19.3倍、ダイセキ21.5倍とほぼ同等、要興業11.4倍、イボキン9.9倍、エンビプロ12.8倍と比較し高くなっている。従来から日経平均並みの動きをしているが、現状、増額修正、連続最高益更新に加え、事業展開の潜在的な成長性が高いとみられ、サーキュラーエコノミーに関する代表的な成長企業としてややポジティブと考える。

 

 

 

(H.Mirai)

 

 

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