三菱商事、豪資源チャリスと覚書 PGE・ニッケル・銅・コバルトの生産で チャリス側発表
豪資源大手チャリス・マイニングは7月3日、上場するオーストラリア証券取引所(ASX)で、「三菱商事との間で、西オーストラリア州での白金族元素(PGE)・ニッケル・銅・コバルト・銅(PGE-Ni-Cu-Co)の開発プロジェクトについて、拘束力のない覚書(MOU)を結んだ」と発表した。
プレスリリース: 61214264.pdf (chalicemining.com)
三菱商事側は7月6日時点でこの件について公式発表をしていない。チャリスの発表によると、開発するのはバース近郊にチャリスが所有するゴンネビル(Gonneville)鉱山の開発。現在は事前実現可能性調査(PFS)を実施中で、両社は調査の完了から90日以内にその後の協業や投資規模などの拘束力のある取り決めについて話し合う。調査は2025年半ばに完了予定。調査費用はチャリス側が持つが、三菱商事は調査範囲の絞り込みなどについて助言できる。覚書は独占的なものではなく、他社の参入も可能だ。
ゴンネビル鉱山は2020年初めに発見された新しい鉱山で、埋蔵量はPGEが約1700万オンス、ニッケルが98万トン、銅が54万トン、コバルトが9万6000トン程度。近年の硫化ニッケルの発見としては世界最大規模で、PGEの埋蔵量は豪州最大規模。開発は豪政府が後押しする。
チャリスは2006年にASXに上場した豪資源大手。ゴンネビルのほかに同じく西オーストラリア州でのパラジウム生産などを手掛ける。近年は電気自動車(EV)材料としてのパラジウム需要の拡大や、PGE価格の高騰が業績を支える。3月に発表した2023年12月期決算は、最終損益が2800万ドルの赤字と前の期の3200万ドルの赤字から赤字額が縮小した。同社は7月3日には足元の事業進行状況も発表していた。
プレスリリース: PowerPoint Presentation (chalicemining.com)
(IR Universe Kure)
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