出光 e-メタノール他、合成燃料分野でJOGMEC とHIF Global 社へ共同出資
e-メタノール等の合成燃料サプライチェーン構築の推進を加速
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:木藤俊一)は、8月9日、HIF Global 社(本社:米国テキサス州)への共同出資について、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(本社:東京都港区、理事長:髙原一郎)の出資制度※1に申請し、採択されたと発表した。
HIF 社は、南米・北米・豪州などで e-メタノール(合成メタノール)をはじめとする合成燃料を製造するプロジェクトの開発を行う企業。この採択により同社の出資体制は、HIF 社に対して単独出資からJOGMEC との共同出資体制に変わる。同共同出資体制により、今後政府機関との連携を深め、カーボンニュートラル燃料として有望な e-メタノール等の合成燃料サプライチェーン構築を加速する。
※1 出資制度:水素の製造及び貯蔵を行うために必要な資金であって、海外事業法人の株式の全部又は一部を取得するために必要な資金を出資する制度。
この採択を受け、同社は JOGMEC と出資基本契約を締結。JOGMEC は同社の米国子会社であるIdemitsu Efuels America Corp.(以下、「IEAC」)を通じて、同社とともに HIF 社への共同出資(JOGMEC から は約 36 百万米ドルを出資)を行う。
共同出資における出資ストラクチャー
2050 年のカーボンニュートラル社会の実現に向け出光興産は、クリーンアンモニアや SAF などとともに e-メタ ノールへの事業化を重点的に検討している。2024 年5月には、南米・北米・豪州など多拠点かつ大規模 に e-メタノールをはじめとする合成燃料の事業開発を行う HIF 社に出資(出資金額 114 百万米ドル)し、海外拠点における e-メタノールおよび合成燃料の製造・開発を推進することを公表した。
同社は、HIF 社の事業から e-メタノールないし合成燃料を国内に輸入することを検討。同共同出資を通じ、船舶用の燃料として、また合成燃料(ガソリン、ジェット燃料など)および合成化学品の原料として、活用できる汎用性の高い e-メタノールの国内外におけるサプライチェーン構築を推進し、カーボン ニュートラル社会へ貢献する。
【参考】
■HIF 社について
HIF 社は、低コストの再生可能エネルギーをベースに、水素を既存のインフラで輸送・利用可能な合成燃料に変換するプロジェクトを推進する、世界有数の企業。HIF という社名は「地球の脱炭素化を可能に する Highly Innovative Fuels を提供する」という会社の理念を表しており、グローバルに事業を展開している。2022 年 12 月にチリのマガジャネスにある Haru Oni 実証プラントから初めての合成燃料の生産を成功させている。今後は、米テキサス州の Matagorda、豪州の Tasmania、ウルグアイのPaysandú、チリの Magallanes において商業規模のプラントの建設を計画している。
(IR universe rr)
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