中国経済、弱含み 1-7月不動産小幅に悪化、融資は19年ぶりマイナス・指標一覧
中国当局が8月15日までに発表した中国の7月の主要経済指標は弱含んだ。不動産が小幅ながらも悪化を続けたほか、人民元建て銀行融資が実質で19年ぶりのマイナスとなり、融資を返済が上回る状況となった。輸出は底堅く外部環境の堅調さはうかがわれるものの、製造業を中心とした内需の弱さが続いている。
2024年7月までの中国の主な経済指標
(注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計)
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
中国国家統計局が8月15日に発表した1-7月の不動産開発投資は10.2%の減少と1-6月の10.1%減から小幅に悪化し、2ケタ減が続いた。固定資産投資の伸びも鈍化が続き、政府が投資を支えるも追いつかない状態になりつつある。同局が7月末に発表した7月の製造業景況感指数も49.4と3か月連続で好不況の境目である50を下回った。
内需の弱さは銀行融資にも見て取れる。中国人民銀行が8月13日に発表した1-7月の人民元建て銀行融資増加額は13兆5300億元だった。ここから算出した7月単月の銀行融資増加額は2600億元で、6月の2兆1300億元から急減。さらに、米ブルームバーグ通信によると、金融機関向けを除いた実質的な銀行融資額は前月から770億元のマイナスとなった。マイナスは2005年7月以来19年ぶりで、需要低迷を背景に、企業や個人が債務返済を急いでいるとみられる。
海外景気には一定の回復が見られ、輸出は4か月連続でプラスとなった。小売売上高の伸びも6月からはやや改善。消費者物価指数(CPI)も伸びが拡大した。ただ、中国は「国債利回りが下がっている」(金融アナリストの川上敦氏)との指摘もあり、デフレを回避しているとは言い難い。7月は輸出を含めた新車販売も前月に続きマイナスだった。
(IR Universe Kure)
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