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日本製鉄やJFEグループが水産養殖発展に向け提案―シーフードショー東京

日鉄エンジニアリングブース

 

 

 水産関連の国際見本市「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」が21~23日にかけて、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催され、盛況のうちに幕を閉じた。「シーフードビジネス×技術革新で水産の未来を創る」が今回のテーマであることもあり、鉄鋼大手の日本製鉄グループやJFEグループも出展。ともに水産養殖に貢献する製品やシステムを提案し、来場者の関心を集めた。

 

 

 日本製鉄グループの日鉄エンジニアリング(東京都品川区、石倭行人社長)は「大規模沖合用養殖システム」を紹介した。沿岸域における養殖適地の飽和や人手不足などの課題を抱える国内養殖に一石を投じたい考えだ。同システムは大型生簀システムや自動給餌システム、生産管理システムなどを組み合わせたもので、生産性向上に加え、養殖海域の開拓の一手として注目されている。

 

 

自動養殖システムの全体俯瞰模型

 

 

 ハードウェア面の基盤となる浮沈式の大型生簀システムは、同社の既存事業である海洋構造物製作で培った海洋鋼構造技術がベースとなっており、沖合の厳しい海象に耐える堅牢性や耐波浪性が強み。水中モニタリングシステムによる遠隔監視も可能で、新たな事業機会の創出が期待される。また、自動給餌システムには、製鉄プラント事業の気流搬送技術が生かされているという。

 

 

 沖合養殖はコストやリスク管理の観点から参入へのハードルが高い事業ではあるが、得られるメリットも多く、養殖大国のノルウェーをはじめ、養殖業に力を入れる各国が規模拡大に向けた取り組みを進めている。事業者だけでなく、地方自治体や国の支援も欠かせないため、今後の政策の動向も注目されるところだ。

 

 

 一方、JFEスチールのグループ会社であるJFEアドバンテック(兵庫県西宮市、吉居卓也社長)は、陸上養殖の水質監視を行う「ISARIシステム」を中心とした製品やサービスを訴求した。同システムは水温・塩分・溶存酸素・pHなど生簀内の水質状態を常時監視することで、異常発生時の迅速な対策実施を可能とするもの。養殖魚介類の被害軽減に寄与する。

 

 

陸上養殖の水質監視を行う「ISARIシステム」

 

 

 

 研究機関向けに開発されたシステムを元に、機能や性能を限定し、商業用にカスタマイズしたものであり、比較的導入しやすい価格帯もPRポイントの一つ。担当者によれば導入実績も着実に増えているという。

 

 

 また、同会場には経済産業大臣政務官兼内閣府大臣政務官を務める長峯誠参議院議員も視察に訪れた。長峯政務官は小型・分散型の閉鎖循環環式陸上養殖システムを提供するARK(東京都渋谷区)のブースなどを視察。国内外の陸上養殖の市場状況や今後の普及戦略などについて情報交換を行った。

 

 

ARKブースで関係者と情報交換を行う長峯政務官(左)

 

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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