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アンモニア燃料の技術開発について紹介@ふぇらむ:鉄鋼協会

一般社団法人日本鉄鋼協会の会報誌“ふぇらむ”Vol.29/No.10/2024 のテクノスコープでは、“実用化へ向けた技術開発が進むアンモニア燃料~カーボンニュートラル社会へ向けて”と題して、実証実験が進むアンモニア燃料の技術開発について紹介した。

 

カーボンニュートラル社会の「切り札」とされる水素よりも保管や輸送が容易で、早期の実用化が可能な燃料として アンモニアが注目されている。

 

海外で製造した水素キャリアを日本に供給する場合、アンモニアが現状経済的に優位と国際エネルギー機関のレポートにて分析されている。

 

アンモニアは直接利用が可能であることからコストを抑制できる特徴がある。

 

しかし、アンモニアを燃料として利用するためには、体積あたりの発熱量が小さく、 軽油などと比較して燃えにくい、燃焼時に温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)が発生する恐れがあるなどの課題を解決する必要がある。

 

テクノスコープでは実証実験が進むアンモニア燃料の技術開発について紹介した。

 

以前は“ふぇらむ”はオープンとなっておらず、閲覧するには会員登録が必要であったが、鉄鋼協会はTechno Scopeを会員以外にオープンにしている

 

詳細は下記よりご覧ください。

PDFOpen_New.php (isij.or.jp)

 

本文は、

<燃料アンモニアサプライチェーンの構築が急務>

<実証試験が進むアンモニア混焼発電(アンモニア火力発電)>

<船舶燃料として期待されるアンモニア>

<アンモニア燃料エンジンのための技術開発>

で構成されている。

 

取材協力は、日本郵船(株)、(株)IHI、(株)ジャパンエンジンコーポレーション及び日鉄テクノロジー(株)

 

概要を紹介する。

《燃料アンモニアサプライチェーンの構築が急務》

 

ここでは、「グリーンイノベーション基金」が紹介された。

グリーンイノベーション基金ではさまざまなプロジェクトが進められているが、そのうちの一つが「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」である(図1)。

 

図1 燃料アンモニアサプライチェーンの構築 ウェブページより

燃料アンモニアサプライチェーンの構築 | NEDO グリーンイノベーション基金

 

「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトでは、2030年に熱量等価での水素換算でNm3 あたり10円台後半へのコスト引き下げを目標として掲げている。

また、アンモニアの発電分野での利用では、高混焼化・専焼化技術を確立することで、2050年に年間3000万トンの消費を目標としている。

 

NEDOグリーンイノベーション基金事業については、下記よりご確認ください。

100955752.pdf (nedo.go.jp)

 

《実証試験が進むアンモニア混焼発電》

 

発電分野でのアンモニア燃焼によるCO2の削減効果は、アンモニア専焼(アンモニア火力発電)へリプレースすることによって、電力分野の50 %のCO2排出削減が試作されているが、石炭かよくで20 %混焼することでも、10 %の削減効果が見込まれている。

 

<国内の実証実験>

2017年:中国電力(株)水島発電所2号機 。発電機出力15.5万kWで約0.6 %の混焼に成功。既設バーナー使用

2023年4月:九州電力(株)苓北発電所1 号機、

2023年11月:九州電力(株)松浦発電所2号機(アンモニア混焼用にバーナーを改造)

混焼率は0.1 %程度であるが、同社では水素1 %・アンモニア20 %の混焼に向けた検討・技術確立を行うと発表している。

 

その他、北海道電力(株)、四国電力(株)、沖縄電力(株)などでも、アンモニア燃料の実証実験を検討・ 計画することが発表されている。

 

<「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクト>

2021年:JERAの碧南火力5号機(試験用バーナー)。燃料アンモニアの小規模利用試験。

碧南火力発電所5号機における燃料アンモニアの小規模利用の開始について | プレスリリース(2021年) | JERA

 

2024年4月:JERAの碧南火力4号機。 世界初となる大型商用石炭火力発電機(定格出力100万kw運転)における燃料アンモニア大規模転換(熱量比20 %)の実証実験。

燃料アンモニア転換前(石炭専焼)と比較して、窒素酸化物(NOx)は同等以下、

硫黄酸化物(SOx)は約20 %減少したことが報告されている。

JERA碧南火力発電所における燃料アンモニア転換実証試験を開始―世界初となる大型の商用石炭火力発電機でのアンモニア20%転換の実証― | プレスリリース(2024年) | JERA

 

 

<実証用バーナーの開発>
IHI:2,000 kw級ガスタービンの開発

燃焼時に排出される大気汚染物質を抑制した<br>火力発電用ボイラ向けバーナのアンモニア専焼に成功 | 2022年度 | ニュース | 株式会社IHI

 

参考情報

100969573.pdf (nedo.go.jp)

 

《船舶燃料として期待されるアンモニア》

 

2023年:日本郵船。LNG燃料タグボート「魁」をアンモニア燃料仕様に改造し、世界初の商用アンモニア燃料船として 2024年8月に就航。2024年7月には横浜港で燃料アンモニアの補給が行った。世界初 Truck to Ship 方式で燃料アンモニアをA-Tugに補給 | 日本郵船株式会社 (nyk.com)

 

2026年の竣工を目指す:日本郵船。アンモニア燃料アンモニア輸送船(AFMGG:Ammonia-fueled Medium Gas Carrier)は、アンモニア燃料エンジンの製造などが進められている。

 

さらに、浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備(A -FSRU:Ammonia Floating Storage andRegasification Unit)の開発も始まっている。

 

《アンモニア燃料エンジンのための技術開発》

輸送専用アンモニアエンジンでは、「層状噴射技術」が採用されている。現在、シリンダー内径が 50 cmの初号機が2025年度の完成を目指して製造中である。

アンモニア燃料エンジン、水素燃料エンジン | 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション (j-eng.co.jp)

 

液体アンモニアは材料に応力腐食割れを起こす懸念があり、これに対応した材料や溶接方法などを検討する必要がある。

 

 

参考情報

2022年5月:IHI

マレーシアにおいて,石炭火力発電へのアンモニア混焼技術適用検討とカーボンフリーアンモニアのサプライチェーン構築に向けた調査事業を開始 | 2021年度 | ニュース | 株式会社IHI

 

 

(IRUNIVERSE tetsukoFY)

 

 

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