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コバルト市場近況2024#11 下値探る、コスト割れとの駆け引き続く LMEはじり高

 2024年11月のコバルト市況は低位横ばい。供給過剰状態が長引くとの観測が広がる中、生産コストをにらみながらコバルトを扱う企業が増えている。中長期的な需要増は見込まれるだけに手を引くわけにもいかず、身動きがとりづらい。価格は下値を探る動きが続く。

 

■LGは11ドルをやっと回復も勢い鈍い

 

過去3か月間のLGコバルト (Co99.3%)($/LB)価格の推移

 

 ベンチマークとなるLGコバルトは11月14日に仲値$11/LBちょうどを付けた。10月初旬に$10台に転落してから約1か月で$11台を回復したことになる。ただ、これを本格反発ととらえる向きはまだ少ない。

 

 業界団体のコバルト協会(Cobalt Institute)が10月28日に発表した2024年7-9月期のコバルト市場リポートによると、2024年のコバルト需給は2万4000トンの供給超過になる見通しだ。2023年に生産を再開したコンゴの鉱山からの生産が増加する一方、用途として期待されていた電気自動車(EV)向け需要が伸びず、需給ギャップが開いている。

 

 一方、国際エネルギー機関(IEA)は11月18日に発表した重要鉱物に関するリポートで、コバルトの需要は伸び続け、2050年には4割ほどをリサイクル品が占めることになると予測した。

 

関連記事: リサイクル推進で新規鉱山開発40%削減も――IEAリポート「Critical Minerals Recycling」 | MIRU

 

 外資系資源商社の日本人幹部はIR Universeの取材に対し、コバルトの需給バランスについて「2025年いっぱいは供給過剰状態が続きそう」と話した。しかし、「コスト割れの問題もあるので、各社様子を見ながら慎重に動いており、価格がどんどん下がるということもないようだ」とも見ていた。

 

過去3か月間のHGコバルト (Co99.8%)($/LB) 価格の推移

 

 HGコバルトもさえない。11月17日に$14.675と、2020年8月以来4年3か月ぶりの安値を付けた。$15が上値抵抗線となり、下値を探る動きが続く。

 

 過去3か月間の硫酸コバルト価格の推移(20.5%min China)(RMB/Mt)

 

過去最安値圏に落ち込む電池向けの硫酸コバルトは動きがない。10月16日の仲値RMB2万7000/mtから、1か月以上横ばいが続いている。

 

■LMEコバルト、米利下げ期待とトランプドル高が交錯

 

過去3か月間のLMEコバルト価格の推移($/ton)

 

 国際価格であるLMEコバルトは11月20日に$24.300/tonを付けた。8月下旬に付けた$23台を底に持ち直している。米金利引き下げへの期待が根強く価格を押し上げるが、米大統領選でのトランプ元大統領の再選でドル高になり、金属相場全体が資金流出懸念から弱含んだ流れで上値も重い。長期の水準としては統計が取れる20年間での過去最安値圏にある。

 

■Topics

11月6日

 中国工業情報化省は11月6日、ホームページ上で、蓄電池などの発展に関する新たな草案を発表した。この中で、「リチウム、コバルト、ニッケルなどの鉱物資源の国内探査を強化し、中国国内の資源確保能力を増強する」と明記。電池向け材料の確保に積極姿勢を続ける姿勢を示した。

 

関連記事:中国、リチウムなどの国内探査を強化へ 電池向け材料の確保継続、海外投資も積極化 当局草案 | MIRU

 

10月19日

 インドメディアによると、10月初旬に訪米したインドのピユシュ・ゴヤル貿易相は、インドが米国に対してコバルトなどの重要鉱物めぐりパートナーシップ協定の締結を正式に提案したと明らかにした。

 

関連記事:インド、米国に重要鉱物パートナーシップ協定を提案、電動車産業の発展を支援 | MIRU

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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