インドが4月から10月にかけて中国からの鉄鋼輸入を過去最高に増加
インドは2024/2025会計年度の最初の7カ月(4月~10月)に、中国からの鉄鋼輸入量を前年同期比35.4%増の170万トンとし、過去最高を記録した。このデータはロイター(Reuters)が引用した政府の暫定統計に基づくもの。
この期間、中国は主にステンレス鋼、熱延コイル、亜鉛メッキ鋼板、薄板、および電磁鋼をインドに輸出した。全体として、インドの圧延鋼輸入量は570万トンに達し、過去7年間で最高水準となった。
他の供給国としては、日本やベトナムが挙げられ、これらの国々もインドへの輸出を大幅に増加させた。全体では、中国、韓国、日本の3カ国がインドの鉄鋼輸入の79%を占めている。
インド国内の鉄鋼需要は、堅調な経済成長やインフラ建設の拡大、都市化の進展により高い水準を保っている。しかし、安価な中国製品の流入は地元の鉄鋼メーカーに深刻な課題をもたらしている。中国製品の低価格や国内鉄鋼価格の下落により、多くのインド企業が財務的な困難に直面している。
この状況を受け、インドの鉄鋼省は、中国から流入する安価な鉄鋼を制限するため、鋼板製品に25%のセーフガード関税または2年間の一時的な課税措置を提案した。この提案は11月27日に商業省へ送られた。
輸入が増加する一方で、インドの仕上げ鋼の消費量も過去7年間で最高水準に達し、国内需要が依然として強いことを示している。一方で、4月から10月のインドの鉄鋼輸出は前年同期比で29.3%減少しており、イタリアが主要な買い手となり、イギリス向け輸出は約15%増加した。
GMKセンターの報告によると、インドは2023/2024会計年度に圧延鋼の純輸入国となった。昨年度、インドの圧延製品輸入量は830万トン(前年比38.1%増)、輸出量は750万トン(前年比11.5%増)に達した。同期間の鉄鋼消費量は前年比13.4%増の1億3600万トンとなり、製品需要の強さを反映している。
参考文章:India increased steel imports from China to a historic high in April-October
(IRuniverse LIN)
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