住友化学 欧州・化学大手サイエンスコ社LCP(液晶ポリマー)事業買収
~事業拡大へ向けて、製品・技術ラインアップを拡充~
住友化学は、2月10日、ベルギーに拠点を置く Syensqo SA/NV(以下、サイエンスコ社)の液晶ポ リマー(以下「LCP」)樹脂事業を買収したと発表した。住友化学は、この買収によって同社の製品・技術を取り込むことで、新たな市場ニーズに細やかに対応できる体制を強化し、ICT 用途やモビリティ用途を中心に LCP 事業のさらなる拡大を目指す。
LCP は、スーパーエンジニアリングプラスチックスの一種で、耐熱性や流動性、寸法精度に優れるなどの特長を有し、PC やスマートフォンなどに使用される電子部品をはじめ、幅広い製品に用いられている。住友化学は、これまで顧客の要望に合わせたポリマー材料やその応用技術の研究開発を強みとし、そのトップクラスの技術力を生かして LCP 事業を拡大してきた。
近年では、AI 普及などに伴う電力需要増や EV 対応のパワーデバイス、次世代高速通信対応の ミリ波レーダー、データセンタ向けの高速大容量コネクタの素材として注目され、市場の新たな 成長が期待されている。
サイエンスコ社が手掛ける LCP は、とりわけ高耐熱性に特長を有しており、住友化学は同社のライン アップ、技術を取り込むことで、多様な顧客ニーズにきめ細かく対応していく。また、同社が有するLCP 開発パイプラインおよび蓄積した生産技術を活用することで、ICT やモビリ ティのみならず幅広い産業分野の製品ラインアップの拡充につなげていく。
住友化学は、今後も成長が見込まれる LCP 事業を重点事業の一つと位置付け、他社とのさまざまな協業も選択肢として事業拡大を図り、2030 年代前半に現在の 2 倍の売上収益を目指す。
(IR universe rr)
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