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自然エネ財団3月5日国際シンポ「REvision2025」脱炭素大競争

 自然エネルギー財団が、3月5日10時からイイノホールで国際シンポジウム「REvision2025」を開催する。その見どころ「REvision2025:脱炭素への大競争と自然エネルギー」の見どころを紹介する。

 

 

開会セッション|加速を続ける世界の自然エネルギー転換

 

 気候対策に背をむけるトランプ大統領がパリ協定脱退を宣言。しかし、世界では自然エネルギーの急速な拡大はとどまる兆しはない。昨年一年間で太陽光の拡大は600GWに達したと言われている。

 

 開会セッションでは、国際再生可能エネルギー機関より、事務局次長のガウリ・シン氏を招き、世界の自然エネルギーの拡大について講演する。そして、世界風力エネルギー会議のレベッカ・ウィリアムズ氏より陸上・洋上風力の拡大状況と展望について、グローバル・ソーラー・カウンシルのザビエル・ダヴァル氏より世界を席巻する太陽光の伸びについて、大規模・ルーフトップ各技術の状況を伺う。さらに、アゴラ・エナギーヴェンデよりディミトリ・ペシア氏が招かれ、ドイツを中心とした欧州のさらなる自然エネルギー転換の現状について紹介する。モデレーターは当財団理事長のトーマス・コーベリエルが務め、各スピーカーの方々とインタラクティブなディスカッションを行う。

 

 

セッション1|自然エネルギーは地方創生の鍵

 

 このセッションでは、二つの開発プロジェクトの事例を紹介し、これを踏まえて、自然エネルギー開発が地方創生に果たしうる役割を明らかにする。事例の第1は、臨海地域の工業団地に「REゾーン」と呼ぶ自然エネルギー100%の利用が可能なエリアを開発した北海道石狩市。同氏は開発中のプロジェクトを含めて約300メガワットにのぼる自然エネルギーの発電設備(洋上風力、陸上風力、太陽光、バイオマス)を生かして、大量の電力を消費する最先端のデータセンターの誘致に成功した。

 

 事例の第2は、地熱発電などによる地域の活性化に取り組むベンチャー企業「町おこしエネルギー」が推進する自然エネルギーと農林水産業を組み合わせた新しい事業モデル。これを牽引するのは、業務スーパー創業者の沼田昭二氏。熊本県小国町のプロジェクトでは、通常10年以上かかる地熱開発を5年で稼働させたという。沼田氏が、地域での自然エネルギー開発にかける思いと実践例を熱く語る。

 

 更に、脱炭素先行地域を全国に拡大する環境省の大森恵子地域脱炭素推進審議官、自然エネルギーによる地域再生の重要性を唱える京都大学の諸富徹教授が、今後の地方創生に向けて自然エネルギーをどのように生かしていくのか語を語る。ジャーナリストの国谷裕子さんがモデレーターを務め、今まさに注目を集めるテーマでホットな議論が展開されるセッションとなる予定だ。

 

 

セッション2|洋上風力発電:加速への条件

 

 洋上風力はGWクラスの開発を伴う大規模事業となっている。現在、世界的なインフレと資材費の高騰、金利の上昇による事業資金調達コスト増加など、さまざまな要因で開発が厳しい状況に置かれている。特に事業計画に影響を与えているのが、風力タービンや船舶など、サプライチェーン構築の課題だ。

 

 このセッションでは、世界1・2位を誇る洋上風力タービンメーカーのシーメンスガメサ・リニューアブルとMHIベスタスより、日本のトップリーダーであるラッセル・ケイト氏と山田正人氏が登壇する。ベスタス社、シーメンスガメサ社とも、日本の公募入札ラウンドで約1.1GWの受注を受けており、現在の事業環境の課題と展望を話す予定だ。

 

 さらに、海運企業ランキング日本トップの日本郵船より横山勉氏を招き、船舶ビジネスからみた洋上風力事業について、船舶調達と逼迫する需給の調整など、事業の実際を伺う。そして、こうしたサプライチェーン・インフラを支えるため、今後も持続して日本で洋上風力を拡大していくにはどのような投資環境整備が必要かを日本政策投資銀行の原田文代氏が見解を示す見込みだ。

 

 また、開会セッションに参加した世界風力エネルギー会議(GWEC)のレベッカ・ウィリアムズ氏も参加し、世界的観点からのコメントを述べる。洋上風力産業が成長の途上にある日本では、今後も大胆な政策支援や技術革新が必要とされている。事業環境が厳しい今だからこそ、より議論を深めていくセッションとなるだろう。

 

 

セッション3|産業脱炭素化の牽引力に:鉄鋼のグリーン市場を創る

 

 鉄鋼業は、世界のGHG排出の8%を占め、その脱炭素化なしに気候変動対策は語れない。日本製鉄、東京製鐵、国際NGO、自然エネルギー財団が脱炭素製鉄への展望を議論する。

 

 現在、高炉製鉄から水素還元製鉄への移行や、電炉鋼の利用拡大、電源の脱炭素化など、脱炭素に向けた動きが世界で始まっているが、まだ多くの課題を抱えている。中でも低炭素な鉄製品が高価格にならざるを得ない状況で、いかにグリースチールの需要を確保できるかが懸案事項となっている。

 

 このセッションでは、こうしたグリーン市場の創出をテーマとしている。まず産業の脱炭素化研究で著名なドイツのシンクタンク「アゴラ・インダストリー」のユリア・メッツ氏から、世界の鉄鋼の脱炭素化の状況と、グリーン鉄市場の国際状況について概説する。さらにRE100など需要側からのイニシアティブを展開するクライメート・グループの鉄鋼部門からサミーン・カーン氏が「スチールゼロ・イニシアティブ」をはじめとする需要側からの動きを紹介する。

 

 日本からは、日本製鉄の堂野前等氏、東京製鐵の髙木健二氏が脱炭素化への取組み、特にグリーン鉄の創出のための取組みと、その課題について講演する。そして、自然エネルギー財団西田から、現在日本で進むグリーン鉄への政策形成とその議論について、モデレーターの高瀬からも、現在国際的に進む議論を紹介し、グリーン市場の形成について、今後何が必要かを考える。

 

― ― ― ― ―

 

 地球環境問題を無視しようとする米国トランプ2.0の動きは世界の大きな環境の流れに抗う姿勢を未来永劫継続できるとは思えない。諸兄の出席を願う。

 

 

(IRUNIVERSE Katagiri)

 

 

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