日本環境政策行き詰まりと産業力の低下―自然エネ財団の指摘
世界のいかなる国であれ、その国民が決める政治家の選択により、政治がその国の将来を崩壊するか、又は発展させるかの、政治家が描く国の将来展望の予測の誤りが、極めて絶大な権力により振れる事を学んできた筈だ。
自然エネルギー財団は3月21日に自然エネルギー財団 ロマン・ジスラー上級研究員のコラム「原子力発電の2030/2040年度の見通し、シナリオ別に見る現実性」を公表した。その概要は以下の通り。ご関心のある諸兄は是非その詳細を同財団のホームページで確認してほしい。
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日本政府は2025年2月18日に閣議決定した第7次エネルギー基本計画で、今後のエネルギー政策の方向性を示した。
前回の第6次の計画では原子力発電に対する依存度を可能な限り低減することを公約したが、第7次では一転して最大限に利用することを宣言した。表現の違いはあるものの、いずれの計画を見ても原子力発電の比率は高すぎる。第6次では2030年度に20~22%、第7次では2040年度に20%の目標を掲げた。この想定が現実的かどうかを示すことが本コラムの目的である。
日本の原子力発電の先行きを予測するために、全国各地の原子炉の最新の状況をもとに、「低位」「中位」「高位」「最大」の4通りのシナリオを想定して分析してみた。
その結果、2030年度と2040年度の国の目標は、究極とも言える「最大」のシナリオでしか実現できないことが明らかになった。国全体の発電電力量に占める原子力の比率は、合理的な「中位」のシナリオで算出すると、2030年度に12%、2040年度に7~8%にとどまる。
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筆者が原子力に係る企業に若い頃在籍していた1995年頃、21世紀の原子力事業のビジョンを事業責任者に質問し、会社の中長期計画を作成した。非常にバラ色の予測で使用済みウラン廃棄物を再使用する計画であった。残念だが常務取締役事業部長の予測は一つも実現しなかった。その上に原子力事業は行き詰まり撤退した。
北欧の小国フィンランドの原子力事業のウラン廃棄物の長期貯蔵の分野では40年以上前にウラン廃棄物を岩盤の安定した地層で長期貯蔵が確立していた。地質的に安定長期保存する地盤が日本には無いのだ。
また、ウラン廃棄物の再処理というリサイクル事業においても、筆者が入社した50年以上前から下北半島の再処理プラントは実験を繰り返してはいるが、営業運転に至っていない。行先の無いウラン廃棄物を増加しながら、原子力発電を更に継続して良いのだろうか。
この様な低レベルの原子力事業基盤でウラン燃料発電事業を押し通している政治家は、日本の産業技術力のレベルを熟知していながら、温暖化防止の逃げ道で原子力発電を活用しているだけでは無いだろうか?
(IRUNIVERSE Katagiri)
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