ウズベキスタン、米国と重要鉱物で協力 探査・抽出など、代表団が訪米
中央アジアのウズベキスタン共和国政府は4月9日、ホームページ上で、「ラジズ・クドラトフ大臣が率いる投資産業貿易省の代表団が4月7日に訪米し、重要鉱物分野などでの協力協定に署名した」と発表した。米国企業のウズベキスタンへの投資を促進し、米国の重要鉱物資源の確保の一助とする。
ウズベキスタンの訪米団
(出所:ウズベキスタン政府ホームページ)
プレスリリース:MIIT: New Agreements Signed in Washington
署名した契約には、鉱物の探査と抽出、高圧粉砕コンプレックス(HPGR)の建設、革新的な技術の採用、重要な原材料の付加価値の創出、ウズベキスタンの専門家育成などが含まれる。両国は鉱業以外にもホスピタリティや食品、ホテル建設を含む観光業などの分野で協力する考えで、4月7日には両国の企業が商談を行った。
ウズベキスタンの地図と主要鉱山
(出所:JOGMEC)
ウズベキスタンは中央アジアの内陸国で、南東部のロラブラク東部地域はベリリウム・リチウム・タンタル・ニオブなどのレアメタルに富む鉱床ベルトとして知られる。近年は特にタンタルの分布が注目されている。
実際の生産では特にウランが多く、JOGMECの資料によると世界3位の生産量を誇る。レニウムも世界4位の生産量。ほかにテルルやグラファイト、タングステンなど、中国が輸出規制の対象とするマイナーメタルの生産も多い。ただ輸出先はロシアや中央アジアの国々のほか、トルコ、中国などが中心で、対米輸出は目立たない。
日本とは、JOGMECが2024年6月、ウズベキスタンの鉱山地質省および国営企業との間で、ロラブラク東部地域のレアメタルを対象とした共同地質調査の実施についての協定書を締結した。
プレスリリース(JOGMEC):ウズベキスタンでレアメタルを対象とした共同地質調査協定書を締結~タンタル鉱石の新たな供給源として期待~ : ニュースリリース | 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構[JOGMEC]
関連記事:TIC第65回総会その2 タンタル市場の過去、現在、未来 | MIRU
(IR Universe Kure)
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