Power eee株式会社――リユース太陽光自家発電設備で電力の未来を再構築する

Power eee株式会社は、リユース太陽光発電設備を活用した発電ソリューションを展開する企業。2018年に「ふくしまパワーステーション株式会社」として設立され、2021年に現在の社名へ変更。本社は東京・千代田区にあり、再生可能エネルギーと地域循環型電力の新しいかたちを提案している。
自家発電の新しい選択肢
Power eee最大の特徴は、使用済みの太陽光発電設備を再利用することで、低コストかつ環境負荷の少ない自家発電所を法人向けに提供している点。通常は新品の設備が使われる中、Power eeeは独自のリユース技術を活かし、設計から施工、運用管理までをワンストップで行う。工場の屋根や空き地を活用した小規模発電所の構築を得意とし、送電コストを抑えつつ、電気代削減と脱炭素の両立を可能にしている。
また、稼働を終えた発電所の買い取りや再設計によって、事業継続が難しくなった設備を再生し、稼働資金の確保や土地の有効活用、放置設備の解消にも貢献。発電所の後継者問題にも一つの解決策を提示している。
電力の地産地消と新たなビジネスモデル
Power eeeは、発電から電力販売までのプロセスを一貫して手がけている。これにより、地域で発電した電気をその地域で消費する「電力の地産地消」を実現。特に、自治体や法人との連携を通じて、遊休地を活用した小規模発電所を複数設置することで、効率的なエネルギー供給を実現している。
さらに、余剰電力は社内で管理し、市場で販売する体制を整備。将来的には、蓄電池を備えた発電所の建設を構想中で、発電ピークの電力を夜間利用へとつなぐ。こうした取り組みは、仮想通貨のマイニングといった新たな分野にも応用が検討されており、電力の多様な活用モデルを模索している。
この自家発電所は実際に現在建設中で、8月に越谷にてお披露目会を行う予定となっている。
同社によると、このリユース太陽光自家発電を用いることで、電気代の削減になるばかりか、節税効果も見込めるとのこと。また設備は10年保証。個社の電気代、電力の使用状況に合わせた設計を行うことが最大の特徴、と同社顧問の芋生氏は語る。
詳しくはPOWER社に問い合わせてもらいたい。
リユースとリサイクルで資源循環
発電設備のリユース・リサイクル事業もPower eeeの大きな柱となっている。役目を終えた太陽光パネルや周辺機器については、まず再利用の可否を判断し、使用可能なものは国内外で再販。再販が難しいものは、自社の設備でアルミ枠やガラス、バックシートなどに分別し、それぞれの素材を再資源化している。特にガラスは建築資材への再利用、銀を含むバックシートは精錬会社への売却など、価値ある資源として循環させる工夫を重ねている。
また、不要となったパネルやパワーコンディショナー、蓄電池などの一括買取も実施し、評価・分別・再販の流れを自社で完結。これにより、顧客の廃棄・評価の手間を大きく削減している。
災害対策としてのコンテナ型発電所
現在開発中の「簡易型コンテナ太陽光発電所」は、災害時に電力供給が途絶えた地域への応急電源として活用されることを想定。リユース部材を使い、蓄電池を搭載したコンテナ型設備は、トラックで移動が可能で、仮設事務所や避難所にも対応できるよう設計されている。省スペースかつ柔軟に対応できる発電設備として、今後の需要が見込まれている。
(IRUNIVERSE LIN)
関連記事
- 2025/06/16 動き出す「金属盗対策法」――指定金属切断工具の隠匿携帯には罰則
- 2025/06/16 豪Livium社 レアアースリサイクル推進へ 複数の抽出技術開発企業と協議中
- 2025/06/16 政府系科学機関CSIRO 黒鉛研究開発助成金プログラムへの応募開始 豪州の黒鉛を世界へ
- 2025/06/16 環境大臣政務官が、自動車リサイクルの最前線リバー川島・ELV川島事業所を視察
- 2025/06/16 産業用電子機器輸出入レポート#71パソコン輸入 台数17か月連続増加するも平均単価急落
- 2025/06/15 週刊バッテリートピックス「アイシンがファスナー式太陽電池」「FDKが高出力電池量産」など
- 2025/06/13 DOWA子会社が村田製作所からサプライヤー表彰を受賞―リサイクル金属の循環スキームを共同構築
- 2025/06/13 環境省 中環審の脱炭素型資源循環システム構築小委員会開催〜高度化法概要について
- 2025/06/13 トクヤマ他 使用済太陽光パネル資源循環推進・北海道コンソーシアム設立
- 2025/06/13 レゾナック、日本製鉄他 排出 CO2 の有効活用によるグリシン製造研究開発が、NEDO 採択