出光興産 固体電解質の量産に向け、小型実証設備 第1プラントの能力増強工事を完了
〜全固体電池普及への貢献目指し生産能力を十数トン規模に拡大、量産技術の開発加速
出光興産株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:酒井則明)は、4月21日、全固体リチウムイオン二次電池(以下「全固体電池」)の材料となる固体電解質の量産に向け、小型実証設備第1プラント(千葉県市原市、千葉事業所敷地内)の能力増強工事を完了し、4 月18日に竣工式を執り行ったと発表した。
この能力増強によって、固体電解質のサンプル生産能力を現行の年間数トンから十数トン規模に拡大。また、量産技術開発のための設備も増強した。次のステージとなる大型パイロット装置での量産技術の確立に向けた技術検証を加速し、2027~28 年の全固体電池の実用化、その先の固体電解質の事業化を目指す。
同社は、電気自動車(EV)の進化や資源循環型社会の構築に貢献する全固体電池に不可欠な材料であ
る、固体電解質の開発と量産体制の構築を進めている。現在は2つの小型実証設備を稼働させているが、このうち、第1プラントにおいて 2023 年6月に意思決定した能力増強工事を完了させた。
この能力増強により、固体電解質のサンプル生産能力を年間数トンから十数トン規模に拡大するとともに、2023 年以降の量産・事業化に向けた量産技術を開発・検証するための設備を拡充した。今後、固体電解質の量産技術開発を加速させ、次のステージとなる大型パイロット装置での量産技術の確立に繋げる。
なお、大型パイロット装置は第1プラントと同じく千葉事業所内での建設を予定しており、2024 年 10月に基本設計を開始。また、2025 年 2 月には固体電解質の重要な中間原料である、硫化リチウム(Li2S)の大型製造装置建設決定を発表している。
(IR universe rr)
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