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イボキン(5699)25/12Q1説明メモ 増額修正期待もややポジティブ継続

25/12Q1は1.0%増収56.3%営利増も25/12期8.7%増収0.3%営利増変更せず増額期待

株価円(5/30)1332円 時価総額46億円    発行済株3427千株      

PER(25/12期DO予:6.7X)PBR(0.9X)配当DO25/12予35円  配当利回2.6%

 

要約

・25/12Q1は1.0%増収ながら56.3%増と大型解体案件寄与し利益大幅増に

・25/12期8.7%増収0.3%営利増予想に変更なくQ1利益進捗率高く通期上振れ期待

・中計で26/12期に売上高115億円、営利9億円目標は上振れ達成期待

 

25/12Q1は1.0%増収ながら56.3%増と大型解体案件寄与し利益大幅増に

 

 1984年創業の総合リサイクル企業。関西地区を中心に、現在は全国規模で解体、廃棄物処理、金属加工の事業を展開する。

 

 25/12Q1決算は売上高24.67億円(1.0%増)、営業利益2.91億円(56.3%増)、経常利益2.95億円(54.0%増)、税引利益2.59億円(2.1倍)と好調に推移した。

 

 収益推移では事業別に解体事業が売上高8.51億円(19.3%増)、営利1.03億円(32.1%増)。大規模施設解体工事などの大型案件の売上計上で収益拡大。加えてミツエ子会社化で多少の売上、利益寄与(内訳は非開示)もあった。なおQ1末時点で工事監督者は32名(同期比2名増)となっており施工能力増、受注獲得も活発化している。


 環境事業は売上高5.04億円(5.3%増)、営利1.03億円(46.6%増)。産業廃棄物処理受託量が5609t(18.9%増)と、排出先の地域経済の回復に加え、設備等の撤去案件がスポット的に入ったことで大幅増に。再生資源販売取扱量も4441t(17.3%増)と、有価物を多く含む廃棄物の取り扱い増で順調な伸びとなった。利益は付加価値案件の増加で利益率がアップし大幅増益に。

 

 金属事業は売上高11.12億円(11.1%減)、営利0.86億円(2.2倍)に。金属スクラップ取扱量が18691t(4.3%増)と大型解体案件から発生したスクラップの販売が寄与(同社工場での取扱量は7.3%増の14992t)。但し、スクラップ価格が同期比下落で売上は減少した。利益面では大型解体案件からの発生スクラップ寄与で大幅な増益を確保した。

 

 営業利益の増減要因では鉄スクラップ相場の下落を解体事業の拡大、非鉄金属市況の堅調でカバーした格好。また廃棄物やスクラップの加工・選別を進め、労務費などの増加を抑えたことが寄与し、利益率が向上した。

 

25/12期8.7%増収0.3%営利増予想に変更なくQ1利益進捗率高く通期上振れ期待

 

 25/12期予想はQ1の受注状況を勘案し、売上高105.00億円(8.7%増)、営利8.0億円(0.3%増)、経常利益8.26億円(0.4%増)、税引利益5.57億円(7.1%増)予想を据え置いた。事業別予想開示は無いが、解体事業はミツエ子会社化で売上高が4億円程度膨らむ(特益で負の暖簾発生0.62億円寄与)、一方、ミツエのコストが発生、利益横ばいとしている。このミツエの増収分を除くと既存で5%弱の伸びとなる模様。解体工事は大型案件の受注残が引き続き高水準で抱えており、緩やかな拡大が見込めるほか、工事監督者増による取扱能力増も寄与が見込める。環境、金属事業は鉄スクラップについて現在価格を維持する前提。このため収益では微増収利益横ばいにとどまるとの感触。全体としてQ1では利益の進捗率が営利で36.4%となっており、大規模解体工事の拡大で収益の上方修正が期待される。

 

中計で26/12期に売上高115億円、営利9億円目標は上振れ達成期待

 

 同社は長期ビジョンとして、静脈産業が動脈産業と協働し循環型社会への転換を導くことを掲げる。中計は26/12期に売上高115億円、営業利益9億円、長計として33/12期にグループ従業員350名(現134名)、売上高300億円、営業利益25億円を目指す。

 

 成長エンジンとしての解体事業では大型案件に係る技術開発と蓄積、営業拠点の増設を行う。技術開発委面では風力発電の解体工事において、兵庫県の風力発電所解体でダイレクトドライブ式発電機の永久磁石を取り出し、龍野工場で脱磁処理を行ったうえで国内100%資源循環を実行した(風力発電関連事業を行うアチハと共同で実施)。希土類永久磁石は風力発電機だけでなく、電気自動車やハイブリッド自動車、医療器械、ドローン等、未来の産業に不可欠で、今後の事業展開において高収益化が期待できる。また解体事業での工事監督者の陣容を25/12期はミツエの子会社化で監督者の育成で4~5名程度増員、33/12期には98名まで増強する計画。当面、25/12期は収益上振れが見込まれ、26/12期もミツエのシナジー効果、工事監督者の増員効果と超大型重機の追加導入による効率化などから、26/12期中計予想は上振れ達成が期待される。

  株価は25/12期会社予想EPS120.9円に対しPER7.9倍と、要興業10.5倍、エンビプロ12.9倍に対し割安感がる。増額修正含みであるものの具体的な事業展望がアナウンスされていない点でややポジティブ継続に止めたい。

 

*要興業(6566)、エンビプロ(5698)との比較

 

 

(H.Mirai)

 

 

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