大林組 建設現場排出の廃プラ段ボールを工事用フェンスに再生利用
建設廃材の水平リサイクルフロー構築により廃棄物抑制とCO2削減効果に寄与
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:佐藤俊美)は、9月2日、サーキュラーコンストラクション®(※1)の一環として、株式会社八木熊(本社:福井県福井市、社長:八木信二郎)、株式会社日成ストマック・トーキョー(本社:東京都江戸川区、社長:畠山孟賛)、日本セイフティー株式会社(本社:東京都千代田区、社長:西田伸一郎)の3社と連携し、大林組の建設現場で廃棄されるプラスチックダンボール(プラダン)を活用して、工事用フェンスに再生し、大林組技術研究所(東京都清瀬市)の実験棟「オープンラボ3」の建設現場の仮囲いに導入、実証実験を開始したと発表した。
1.背景
建設現場から排出されるプラスチック廃材の多くは、マテリアルリサイクルが進んでいない。そこで今回、建設現場から出たプラスチック廃材を再び現場で利用する建設資材に再生するために、プラスチック廃材の水平リサイクルフローを構築することとした。
2.プラスチック廃材水平リサイクルフロー構築の取り組み
大林組の建設現場から出た廃棄物を日成ストマック・トーキョーにて収集し、プラダンを選別・圧縮して八木熊に納品。八木熊で、プラダン由来の原材料を約30%混合してプラスチックフェン(1000mm×1000mm)を製作し、日本セイフティーが大林組の建設現場向けに、フェンスをリースする。これにより建設現場から排出するプラスチック廃材を減らし、現場からの資材を循環させる仕組みを実現する。
また、再生プラスチック使用比率をさらに高めた製品の現場導入に向けた実証実験も進めている。
プラスチック廃材(プラダン)の水平リサイクルフロー
3.期待される効果
プラスチックフェンス製作時に使用するバージン材を従来に比べ約30%削減することで、原材料製造時に排出されるCO2も30%削減される。今後水平リサイクルフローの運用を拡大していくことで、建設現場における、さらなる環境負荷軽減が期待できる。
また協力会社との連携により、大林組の建設現場で廃棄物として排出されてから、再び大林組の建設現場に、再生品が納入されるまで追跡調査が可能となり、再生品の品質管理面以外でも原材料の環境配慮度や安全性なども可視化できるようになる。
さらに、建設現場からリース業者に返却されるプラスチックフェンスは、回収・再利用され、劣化や破損があれば繰り返しフェンスに再生することも可能。
4.今後の展望
今後は、大林組の全建設現場への適用を見据えて、再生品の使用検証などのノウハウを蓄積する。また、プラダン以外の素材についても水平リサイクルフローの展開を検討し、廃棄物抑制を推進する。
※1 サーキュラーコンストラクション サーキュラーコンストラクション(Circular Construction)とは、建設業界における廃棄物の削減と資源の有効活用を目指す、循環型の建設システムのことで、大林組の登録商標
(IR universe rr)
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