8月の銅の概況及び9月の見通し 橋本アルミ(株) 橋本健一郎
予想レンジ
LMEセツル 9500-10500ドル →
建値 144万-159万円 →
為替 146~148円 (1か月間TTM) →
■国際概況
8月初の銅半製品への50%関税報道、ISM非製造業指数低下、株価急落などの下落要因もあったが、中国の景気刺激策期待、パウエル発言や米GDP上方修正を好感しUP
月末日 スタート価格から199ドルUPの9805ドル。
■前月の経済指標
◆月間のドル/円レート (TTS)
151.79 → 157.92(円)
出典 MIRU
【国内指標】
【自動車生産】
輸出は前年同月比-5.5%の34万54台
◆自動車販売台数
日本自動車販売協会連合会によると8月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-10.6%の18万6594台
自動車生産台数
出典 生産動態統計
自動車販売台数推移
出典 日本自動車販売協会連合会
【住宅着工戸数】
7月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比9.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比9.9%の増加となった。
【伸銅品生産】
2025年7月の伸銅品生産動向(速報値)」によれば、5万8,750トン、前年同月比1.3%増加した。2か月連続のプラス
出典 日本伸銅協会
【日本電線工業会発の出荷速報(推定)】
出荷量:51300トン(銅量ベース)
前年同月比:-1%
出典 日本電線工業会
◆貿易関連指標
【輸出】
電気銅 -9.9% 5万3510t
スクラップ -51.3% 4万254t
輸出推移
【輸入】
電気銅 +50.8% 487t
スクラップ +26.2% 3万1369t
輸入推移
出典 財務省 貿易統計
■国内概況まとめ
【自動車】
【自動車生産】
生産動態統計によると7月の自動車生産台数は前年比-7.8%の70万5101台
輸出は前年同月比-5.5%の34万54台
【自動車販売】
日本自動車販売協会連合会によると8月の自動車販売台数(軽除く)は前年比-10.6%の18万6594台
【住宅着工戸数】
7月の新設住宅着工は,持家,貸家,分譲住宅が減少したため,全体で前年同月比9.7%の減少となった。また,季節調整済年率換算値では前月比9.9%の増加となった。
【伸銅品生産】
2025年7月の伸銅品生産動向(速報値)」によれば、5万8,750トン、前年同月比1.3%増加した。2か月連続のプラスとなった。また、2025年に入ってからの最も多い生産量となった。協会の報告には無かったが、過去遡ってデータを見直すと、5万8千トンを超えたのは、2023年3月以来だった。
4品目中10品目が前年同月実績を上回った。
伸銅品の需要先の概況によると、自動車生産に関して、昨年の認証施不正問題以降、様々あった減産関連から立ち直って、自動車向けコネクタが好調である。半導体向けは、日米のAI関連とデータセンター向けの需要が伸びている。また、車載向け半導体は、中国の日系自動車の回復がプラスに働いてきた。ただ、まだ回復途上である。エアコンは、猛暑で増産傾向だが、エアコンの国内生産の増加だけでなく、海外製輸入エアコン台数の増加も見られる。銅管輸入も増えている。住宅新規着工は低迷が続く。
トランプ関税による米国向けの伸銅品の輸出に関しては、特に大きな影響が見えていない。国内の伸銅品生産量に対して、米国向けの輸出量が小さいことからも、数字上の大きな影響が見えていない。ただ、一部の北米向けの特殊な伸銅品に関して、輸出が減るケースと、税率が上がっても需要があるため輸出量が変わらないケースの両方が見られる。
【電線】
出荷量:51300トン(銅量ベース)
前年同月比:-1%
再びマイナス
【輸出】
電気銅 -9.9% 5万3510t
スクラップ -51.3% 4万254t
【輸入】
スクラップ +26.2% 3万1369t
【見通し】
【電線】
【LME・為替予想】
●為替予想 146円~148円
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