国営イラン通信(INNA)は9月22日、イラン東部の南ホラサン州タバスの炭鉱で9月21日夜にメタンガスの充満によるとみられる爆発事故が発生し、少なくとも51人が死亡したと報じた。事故当時、70人近くが働いていたとされる。
AFP通信などによると、なお20人ほどが炭坑内に取り残されているが、ガスのために救出作業が難航している。爆発直前の21日夜の検査ではガス漏れは見つからなかったとも伝わった。訪米中のイランのマスード・ペゼシュキアン大統領は、「再発防止のため鉱山労働者の労働基準改善を講じるよう閣僚に命じた」と語ったという。
タパスの鉱山は3万キロ平方メートルに及ぶ広大な鉱山で、5か所に区域が分かれる。今回はそのうち2か所にまたがって爆発が起きた。石炭と一般炭の埋蔵量が豊富で、イランでも最大規模の炭鉱とみなされていた。
イランは国内を「テチアン・メタルロジティック・ベルト(Tethyan Metallogenic Belt)」と呼ばれる金属鉱床地帯が横断する。鉄鉱石や銅、亜鉛、クロムなどの採掘も盛んだ。
イランの主な金属鉱山
(出所:JOGMEC)
(IR Universe Kure)