スウェーデンの車載電池大手ノースボルトは9月23日、自社ホームページ上で、「全従業員の23%に相当する1600人を削減する」と発表した。電気自動車(EV)の世界的な失速を受けて国内外で進めていた工場建設計画などが相次ぎとん挫。事業の全面見直しを余儀なくされた。
プレスリリース: Northvolt outlines revised scope of operations in Sweden
同社は発表資料中で、「コストバランスを取るためには、世界レベルで20%、スウェーデン国内で25%の人員削減が必要だ」とし、「今後の道筋について労働組合の代表者と協議している」とした。
事業としては、スウェーデン北部シェレフテオにある工場の大規模な拡張計画を棚上げし、ヴェステロースでの研究施設の拡充も遅らせる。同社は8月20日には、米西部カリフォルニア州でのリチウム金属電池の技術開発をヴェステロースに集約すると発表したばかりだった。
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今回は、ストックホルムにある企業サポートシステムも縮小する。年間生産能力も、一時60ギガワット時(Gwh)としていたのを初期目標の16Gwhに戻す。リサイクルを含めた垂直型の電池生産を目指したが撤回し、バッテリーセルの生産に注力する。
ノースボルトは欧州の電池企業ではリーダー的な存在だが、近年はEV失速や中国勢との競争激化などで経営環境が悪化していた。生産の遅れや納品トラブルなどの問題も抱えていた。
(IR Universe Kure)